TC ELECTRONIC/Hyper Gravity Compressorのレビューと使い方!音作りのコツは?

TC ELECTRONIC/Hyper Gravity Compressorのレビューと使い方!音作りのコツは?

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この記事ではコンパクトエフェクターながらも多機能で秀逸な機能が搭載されているTC ELECTRONICのHyper Gravity Compressorのレビューと使い方を解説。比較的コンプが苦手な人にも簡単に使用できるHyper Gravity Compressor(ハイパーグラビティコンプレッサー)ですが音作りのコツはどうすればよいのでしょうか。

目次

Hyper Gravity Compressorとは?

コンプレッサーの機能は「大きな音を下げ小さな音を上げて」ギターの出力を均一に整えることです。ギターの弦は6弦は巻き弦で音が太く大きく、1弦はプレーン弦で細く小さくなります。ピックアップの位置や高さなどで「音のバランス」を調整しますが、綺麗に音圧が揃うわけではありません。そこでコンプレッサーを使い整えるのですが、今までのコンプレッサーは全ての帯域に同じコンプをかけてしまうものばかりでした。6弦と1弦では出音の大きさが違うのですから、コンプ量が同じではバランスが悪くなりますよね。「TC ELECTRONIC Hyper Gravity Compressor(ハイパーグラビティコンプレッサー)」は、3つの帯域別に最適な圧縮をかけるので自然で均一な音になります。

TC ELECTRONIC/Hyper Gravity Compressorのスペック

商品名Hyper Gravity Compressor
(ハイパーグラビティコンプレッサー)
メーカーTC ELECTRONIC
概要コンプレッサー
コンプ量
緩やか
強い
操作
簡単
難しい
音質設定
ザックリ
繊細
汎用性
じゃじゃ馬
何でも
コスパ
低い
高い
おすすめ度
微妙
おすすめ
  • コンパクトエフェクターなのに多機能
  • Tone Print機能が秀逸
  • この性能ならコスパ高し
  • 手持ちのコンプの音に飽きた
  • デジタルコンプレッサーに興味がある
  • コンプのサウンド・メイクが苦手
  • 多弦ベースプレイヤー

Hyper Gravity Mini Compressorとの違い

どこが違う?

そんなに大きな筐体ではない「Hyper Gravity Compressor」ですが、miniバージョンも存在しています。サイズ縮小のため、アダプターのみの駆動になります。BLENDのノブが省略されていますが、Tone Print機能を使えばプリセットされている音や自分で作るプリセットにはBLENDが機能します。トルグ・スイッチが2段階になっていて「SPECTRAモード」が使えなくなっています。とにかくコンパクトにまとめたい人や、VINTAGEモードだけでよい人や、Tone Print機能中心で使っている人は「Hyper Gravity mini」で十分ですね。

Hyper Gravity Mini Compressorとの違いまとめ

HyperGravity
Mini
  1. 電池駆動可能。
  2. BLENDで細かく設定できる。
  3. マルチバンド・コンプレッサー・モードが使える。
  1. アダプターのみで駆動
  2. BLENDノブが省略
  3. SPECTRAモードが省略
  4. 電池駆動以外の省略はTone Print機能を使えば解消できる。

Hyper Gravity Mini Compressorの音質や特徴

特徴1 コントロール部

■ LEVEL
音量の調整ができます。
■ SUSTAIN
コンプをかける量を調整できます。
■ BLEND
原音とエフェクト音のバランスを調整できます。
■ ATTACK
どれぐらいからコンプをかけるのかを調整できます。

3段階切り替えのトルグスイッチが付いています。
▪ VINTAGE
昔ながらの聞きなれた音のコンプです。
▪ TONE PRINT
TCお馴染みのプリセットをダウンロードできるモードです。
▪ SPECTRA
マルチバンド・コンプレッサー・モードです。3つの帯域別の適正なコンプをかけてくれます。

特徴2 コンプの基本的調整方法

コンプは効果が分かりにくいので、音の違いが分かるまでかけ過ぎてしまいがちです。ですが、コンプを使いこなすコツは「かけ過ぎ注意」なのです。

▪ SUSTAINで音を持ち上げていきます。小さい音が上がってきますが、大きい音は下がります。下がった分LEVELで音量を元の大きさぐらいにします。
▪ ATTACKで入力された音をどのあたりで潰すかを決めていきながら、BLENDで原音の量を調整しながら決めていきます。BLENDは普通のコンパクト・サイズのコンプレッサーには付いていませんが、かけ過ぎを回避できる便利な機能ですので活用しましょう。

最初は極端にしておいて、かけ過ぎてしまったらどんな音になるかを確認してみるのもよいでしょう。

特徴3 各モード別の特徴

3段階切り替えのモードの特徴です。

■ VINTAGE
太く温かみのある音です。ノブをすべてセンターにしておいても「それなりの音」でよい感じになりますので使いやすいモードですね。
■ TONE PRINT
PCに繋いで自分だけのプリセットが作れたり、世界各国のギタリストの作ったプリセットを共有できます。他のギタリストの知恵を、どんどん自分のサウンドに反映させてオリジナルのプリセットを作りあげましょう。
■ SPECTRA
従来のコンパクトサイズのコンプレッサーは、ハイが落ちて膜がはったような音が当たり前で、改善するために他のエフェクターで補う使い方でした。SPECTRAモードでの高音弦の抜けは素晴らしく、空間系との併用の場合リバーブやディレイが「1ランク上がったような」音に変わります。

特徴4 トゥルー・バイパスとバッファード・バイパス

裏ぶたを開け内部の「DIPスイッチ」でトゥルー・バイパスとバッファード・バイパスを切り替えることができます。コンプはギターから近い位置に置くことが多いでしょうから、後に置くエフェクターとの互換性を考えながら選択しましょう。

Hyper Gravity Mini Compressorのデメリット

デメリット1 モードがたくさんあり迷いがち

できるだけ使いやすく分かりやすく作られてはいますが「コンプ初心者」には難しく感じてしまう場面もあるかも知れません。モードを切り替えるたびにガラリと雰囲気が変わりますしツマミの効きも変わりますので、迷ってしまいますよね。そこが良いところなので頑張って克服して欲しいです。

Hyper Gravity Mini Compressorの使い方

使い方1 ブースター的な使用

Tone Printのプリセットにもブースターっぽいセッティングがあったりしますので、音圧とちょっとしたゲイン稼ぎに使っているギタリストもいます。

やり方は簡単でLEVELを上げ気味にするだけですね。モードはVINTAGEがよさそうです。

使い方2 ベースでの使用

Tone Printモードにベース用のプリセットもありますのでベースでの使用もスムーズです。特に6弦ベースなどの多弦ベース使用者でコンプ選びに悩んでいる人は多いと思われます。SPECTRAモードでお試し後に、Tone Printモードでお気に入りのプリセットを探し自分好みにカスタムしてみてください。

XOTIC SP Compressorとの比較

とても評価も高く使用者も多い「XOTIC SP Compressor」です。シンプルな2つのツマミと、3段階切り替えのミニスイッチから構成されていて直感的な操作ができます。あると便利な「BLEND」ノブも付いていてかなり音が作りやすいです。ミニスイッチはトーンの切り替えのHI、MID、LOとなっていますが、トーンの切り替えというより「浅い~深い」の調整ように思えます。がちがちにコンプレッサーとして使うよりは、一番最初に繋ぎ「音も整えてくれるバッファーブースター」みたいな使い方が良いようです。サイズは流行りの極小タイプですので場所も取らず機能的です。

シンプルに上記のような使い方だけで良いなら「XOTIC SP Compressor」を。ギターを数種類持ち替えたり、よくセッティングが変わる人ならば「Hyper Gravity Compressor」を選ぶのが良いでしょう。

BOSS CP-1X Compressorとの比較

BOSSデジタル・エフェクター・シリーズの「CP-1X Compressor」は、自然なかかりと使いやすさを追求して作られたコンプレッサーです。今までのBOSSのコンプレッサーの特徴であった「パコパコ・サウンド」は薄れてしまいましたが、その分、張りがある艶ややかな音がします。イメージとしては、スタジオ録音の時に薄っすらとかけてもらえる綺麗なコンプレッサーの音です。

Hyper Gravity Compressorでも似たよなうな音は出ますが、BOSSがデフォルトでツマミすべてフラットが一番良い音に設定しているみたいですので、音作りの手軽さはCP-1Xの方が優れています。コンプ感のある音やブースター的な使い方はCP-1Xは苦手ですので選択の基準にしてください。

Hyper Gravity Mini Compressorを使った感想

コンプレッサーは「こんな感じかな」ぐらいでしか使う事ができませんでした。コンプの使い方の自由度は高く、すべてはバランスとセンスになります。迷いを生じてしまうのは「お手本の音」が自分のアンプから出てこなかったからだったと思います。CompressorHyperはTone Print機能を使い、一流ギタリスト達のプリセット「お手本の音」で学べ自分のサウンドに反映させていけるのです。コンプ初心者に限らず「大切さはわかっているけど使いこなせなかった人」に手に取って欲しいです。

Hyper Gravity Mini Compressorはこんな人におすすめ

レコーディング・エンジニアが使うテクニックに「パラレル・コンプレッション」と呼ばれるものがあります。同じ音源をふたつ準備して2トラックに並行にし、片方のトラックにはコンプをかけ、もう片方はコンプをかけずに2つのトラックをバランスよく混ぜ合わせていくのです。これは、コンプのかけ過ぎや原音が変わりすぎてしまうことを回避するためのテクニックです。ここまで読まれたら「あれ」と思われるのではないでしょうか。そうです「Hyper Gravity Compressor」のBLENDが同じ役割を果たしてくれているのです。今までのコンパクト・サイズのコンプレッサーは原音の全音域に同じ圧縮をかけてしまっていました。これが「コンプ臭い」などと言われていた由縁です。コンプ臭さを逆手に取ったプレイもありますが、自然で綺麗なサスティーンの方が実用的ですよね。「Hyper Gravity Compressor」は繋ぐだけでも変化に気が付けますので是非ともお試しを。

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