M108Sとは?
長い間MXRの定番イコライザーであった「M108 10 Band Graphic EQ」にノイズリダクションとトゥルーバイパス機能を追加して、アップグレードしたのが「M108S 10 Band Graphic EQ」となります。
多彩なセッティングはM108から引き続がれていますが、デメリットであった「ノイズが多い事」が解決されているのです。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQのスペック
メーカー | MXR |
カテゴリー・種類 | グラフィックイコライザー |
バンド数 | 10 |
バンド周波数(Hz) | 31.25、62.5、125、250、1k、2k、4k、8k、16k |
ブースト/カット(dB) | ±12 |
レベル調整 | VOL×1 GAIN×1 |
電源 | DC18Vアダプター(付属) ※乾電池は使えません。 |
特徴 | ワイドな周波数帯域をカバー |
ここがオススメ | ノイズリダクション搭載 |
特記事項 | ・トゥルーバイパス ・1イン2アウト |
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M109S SIX BAND EQとの違い
M108Sの縮小版になります「M109S SIX BAND EQ」はサイズがコンパクトになり、100Hz、200Hz、800Hz、1.6kHz、3.2kHzの6バンドとなります。必要最低限の機能ですが、ギターの持つ周波数に対応するポイントを抑えたイコライザーです。サウンド・メイクの細かい追い込みに使うなら上位機種のM108Sをお勧めしますが、欲しい帯域をブーストさせる「ゲイン・ブースト」や簡易的な「ローカット」などに使いたい方には十分満足する内容では無いでしょうか。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQの音質や特徴
特徴1 MXR/M108S 10 Band Graphic EQの機能
両端にGAINとVOLが付いています。
■ GAINは入力側のボリュームですが、設定した音域をブーストする働きもあるスライダーです。
■ VOLは全体的音量を調整できるスライダーです。
10バンドの周波数ポイントのスライダーは
▪ 31.25Hz
▪ 62.5Hz
▪ 125Hz
▪ 250Hz
▪ 500Hz
▪ 1kHz
▪ 2kHz
▪ 4kHz
▪ 8kHz
▪ 16kHz
となっています。
各スライダーに青いLEDが付いてます。暗い場所でもセッティング内容が確認できます。
特徴2 18V駆動です。
専用のアダプターが付いていますので大丈夫です。18v駆動のエフェクターは音抜けが良く鮮明な印象でしたが、M108sも例外ではないようです。
特徴3 トゥルーバイパス
イコライザーを使う方は「常にオン」で使う方が多いので、あまり意味が無いようにも思えますが「トゥルーバイパス機能付き」とあると皆さん安心するようですね。もしくは前機種のM108のバッファーが出音に悪戯するのでカットしたのかも知れませんね。
特徴4 ふたつのアウトプット
インプットは一つですがアウトプットがふたつあります。ステレオでもないですし、原音のみをどちらかが出力できるとかでも無いようです。考えられる使用法は、チューナーアウトに使うとか、ベーシストが片方をD.Iに送るとかでしょうか。
特徴5 軽いアルミ筐体
前機種のM108は黒くて重い筐体でしたが、M108Sはシルバーの軽いアルミ筐体です。最近ではエフェクター・ボードの重量も重要なポイントとなっていますので、この軽量化は素晴らしいですね。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQのデメリット
デメリット1 電源問題
18v駆動ですので専用のアダプターでの使用が不可欠ですが、パワーサプライでまとめての運用をしたい方も多いと思います。18v対応のパワーサプライを持っている方は良いですが、無い方は別で購入する必要があります。ですが、18v駆動のエフェクターは他にもかなり存在していますの、この機会に買っておくのも良いかも知れません。
デメリット2 ノイズリダクション
正直な感想が「効いていると言えば効いているような・・」です。小さいノブでもいいので、調整用のツマミが付いていたら信頼性も上がったと思います。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQの使い方や音作りのコツ
使い方1 簡単な使い方
音が回ってしまう狭い会場での演奏の場合、アンプ側で調整しよう頑張っていても、短いリハーサル時間ですと、最終的に自分の望む音でなくなりテンションが上がらずじまいで、後味の悪いライブになってしまいます。そんな時、M108Sで31.25Hzをカットしてあげますと、いつものトーン・バランスを保ったままローカットされて、バンドの中音が聞きやすくなります。歪みの音を派手にしたい時は、2KHzをブーストすると抜けてきます。あくまでもこれはほんの一例ですので、ご自身で音を探して可能性を秘めたM108Sを使い倒してみて下さい。
使い方2 クリーンブースター的な使い方
一番最初に繋ぎEQはフラットでゲインだけを上げれば上質な「クリーンブースター」としても機能します。ですが、せっかく音域を自在に選べるのですから、少しイコライザーの勉強して自分だけのセッティングを見つけましょう。後、歪みの後に繋ぎ簡易的な「ノイズリダクション」としても少しですが効果が期待できます。
使い方3 歌モノでの微調整。
様々なボーカリストと演奏をしていると「この人の声とぶつかる帯域を少しカットしたい」と思う瞬間があります。もちろん少々のイコライザーの知識は必要となりますが、普段からM108Sを触っていればすぐに分かると思います。特にささやく様に歌う女性ボーカリストにはギタリストのトーン作りの腕の見せ所です。ポイントは500Hzや1KHzあたりにありそうですが、声の質はそれぞれですので一概にこれという設定は言えません。
使い方4 ベースでの使用
広いレンジが特徴ですので、それを活かした音作りで「低音が暴れがちな」ベースの音をスッキリまとめる事ができます。逆に低音があまり出ないパワーのないベースの低音をプッシュすることもできますので、「このベースは思った音が出ない」とベースを買い替える前にM108Sの購入をお勧め致します。存在感はあるのだけど心地よい音を目指している方や、歪みエフェクターをよく使うベーシストの方にもお勧め致します。
MXR/M108S と似ている機材と比較
BOSS GE-7との比較
1981年からロングセラーを続けています「BOSS GE-7」です。こちらは7バンドにLEVELがついた簡単操作の優秀イコライザーです。BOSSのコンパクトエフェクターのデメリットでよく上げられます「音痩せ問題」も常にオンでの使用が多いイコライザーには関係ありません。特徴と致しましては、他のメーカーにはない3.2kの帯域があることです。この帯域ポイント切る事で音抜けの良さを簡単に実感できます。ボーカルの周波数との対処やバンドのアンサンブルに馴染ませるために使うならばM108Sが良いようですが、よりギターの向きの周波数で構成されているGE-7は、ブースターとして使用したり極端な音質変化を狙うギタリストに向いています。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQを実際に使った感想
DTMをやっている方などは嫌でもイコライザーについて勉強しなくてはいけませんので、すんなりと使えるでしょう。ですが、経験のない方もこれを機会に少々イコライザーの知識を身につける事をお勧めしたいです。ギターのサウンド・メイクにはそんなに知識もいりませんし、ネットにたくさん情報はあります。歪みエフェクターの細かい調整、箱に合わせてのローカット、ボーカリストとバッティングする音域をカットなど、ちょっとだけの知識と調整で「バンド・アンサンブル」の向上に繋がる要素が盛りだくさんです。思っているより簡単に使えると思いますので、是非ともチャレンジして欲しいです。
MXR/M108S 10 Band Graphic EQはこんな人におすすめ
■ バンドのもう一人のギタリストが同じ種類のギターを使っているので出音に違いをつけたい。
■ セミアコのギターでロック・ギターを弾きたいが音が抜けてこない。
■ 歌モノのバンドに誘われた。
「周波数の帯域を理解して強弱を調整する」と言われてもピンときませんし、逃げ出したくなりますよね。あまり難しく考えず「左から一弦~六弦の別々に音色調整ができるスライダーが付いている」ぐらいの考え方でよいと思います。音抜けが悪いと音量を上げてしまったりしてしまいがちですが、実は耳に届きやすい周波数を探り当てれば逆に音量を下げなくてはいけなくなったりします。「MXR/M108S 10 Band Graphic EQ」は、弦楽器のために美味しいポイントを抜き出してくれているのですから、直感的に触って慣れていきましょう。ネット上の情報を利用して少し理解できたらバンドに持ち込んで実演してみましょう。一皮むけたアンサンブルを楽しめるはずです。
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