- ギターのフレットや弦のサビが気になる
- ギターのピックアップやペグの金属部分を綺麗にしたい
- ギターのサビの落とし方を知りたい
この記事ではギターのピックアップ・ブリッジ・ペグ・弦が、サビてしまったときの影響やサビ取りの方法がわかります。
過去、ギター製作の専門学校を卒業し、楽器店で5年販売経験のある私が、フレットやパーツのメンテナンスをした経験を元に解説。
ギターのサビの落とし方をマスターして丁寧に扱っていきましょう。
ギターのサビ取りの結論
結論から言ってギターのサビ取りは手間や時間をかけずにやれることから始めて下さい。
乾拭きで改善しないなら、研磨剤で磨きます。
研磨剤でも改善しないなら、紙やすりで磨くというように、段階的に実践していきましょう。
なぜなら、メンテナンス作業(ここではサビ取り)には、綺麗にすることが目的だからです。
例えば、サビは紙やすりで細かな傷を入れて番数をふやして削ればピカピカになります。
しかし、そのやり方を始めに実践すると、パーツの取り外し作業や必要な道具を揃える手間が増えます。
ギターのサビ取りの手間が短縮できれば、その時間をギターの練習に使えますよ。
効率的にギターの手入れをしましょう。
結論から言ってしまいましたが、順番にギターのサビについて詳しく見ていきましょう。
ギターのサビは取るべきか
ギターのサビは取るべき
サビ取りだけではないのですが、メンテナンス作業はどのくらい綺麗に仕上げるか、どの部分をするかによって作業の手間と時間が変わってきます。
しかし段階を踏んでサビを取るべき
サビや汚れの状態にもよりますが、一般的にペグやブリッジ部分は、ピックアップやフレットよりも、手間はかからないです。
ピックアップは配線やコイルがあるため、繊細な作業が要求されます。
断線させてしまえば使い物にならず、交換費用がかかります。
フレットは演奏の仕上がりによって、弾き心地にかなり影響する箇所です。
フレットの状態によっては、フレットのすり合わせ技術が必要になることもあります。
フレットのすり合わせは、楽器店店員やリペアマンに相談・依頼をして自分でメンテナンス作業するかを検討すべきです。
弦においてはサビが酷いのであれば、磨くよりも弦を新品に交換したほうが、コスパがいいです。
金属部分のサビ取りに必要な工具・道具
耐水ペーパー・紙やすり
耐水ペーパーは読んで字のごとく紙やすりの一種で防水性があります。
使い方は耐水ペーパーを水で軽く浸して研磨していきます。
ここで耐水ペーパーで水を使用するのは、金属部分なのでNGではないかと、考えられる方もいらっしゃると思います。
確かに耐水ペーパーで研磨した後に、そのまま放置するのは再びサビてしまうので厳禁ですので、その後の対策を講じていきましょう。
したがって耐水ペーパーで研磨した後は、必ず研磨剤を塗付してないクロスで乾拭きして下さい。
もちろん、金属の削りカスやパーツについた水気を除去するためです。
ギターの金属部分のサビ取りには耐水ペーパー非常に有効活用できます。
耐水ペーパーを使用してサビ取りを行うの理由
耐水ペーパーを使用するメリットとしては
- 摩擦熱を持ちにくい
- 研磨したカスが水で吸収されるため、カスがバラバラにならない
- ゴム素材を研磨するときも耐水ペーパーは研磨しやすい
- 木材など研磨するとき目詰まりしにくい
が挙げられます。
ペーパーでのサビ取りに適した番数
紙やすりや耐水ペーパーは、番数が様々あります。サビの状態によって番数を決めます。
サビ取りの基本は傷つけてサビを落とし、徐々にその傷を薄く削っていくのが基本。
番数が小さいほど目が粗く削りやすくサビを落とします。
番数が大きいほど目が細かく、仕上げに近づきます。
サビがひどい場合は初めから#600番くらいで使用するときもあります。
サビがそれほどでもない場合は、もう少し目の細かい高い番号から始めるのがベター。
まずは#200番ずつ番数をあげて傷を細かくして#1500~2000番くらいまで細かくして磨くとかなりキレイに仕上がります。
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ピカールの用途
研磨剤の使用にあたっての注意点
- フレットを削る場合は、指板に紙やすりが当たらないように指板にマスキングテープを貼り保護する
- ゴールドパーツやギターの塗装面などに使用しない
- 金属部分を耐水ペーパーで磨いた部分は、すぐに乾拭きする
ピカールは、液体状の金属を削る研磨剤、液体のやすりです。
ピカールは様々な種類があり、臭いのないものや使い心地や研磨力を違います。
- 一般的な金属部分のサビ落とし
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一般的な金属部分のサビ落としには「ピカール液」。
頑固なサビを落としたいなら「ピカールケア」がオススメです。
- ギターのサビ取り
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ギターのサビ取りにはチューブタイプの「ピカールケア」のほうが使いやすいです。
ギターのサビ取りとしてはピックアップやペグやフレットなどの金属部分に使用します。
ピカールの研磨力としては紙やすりで#4000くらいで、基本は仕上げ用として利用されます。
ピックアップのカバーなどのプラスチック部分にも使用できます。
ピカールを使うとき準備するもの
- 磨き用のクロス
- 吹き上げ用のクロス
- ゴム手袋
必ず磨き用のクロスと吹き上げ用のクロスは別々に準備して下さい。
磨き用と吹き上げ用のクロスを別々にするだけで、金属部分の仕上がり方が全然、変わってきます。
臭いがあるため、ゴム手袋を着用し、換気しておきましょう。
(誤飲したりしなければ、基本、皮膚に付着しても無害です。)
ピカールの使用方法
ギターのペグなどの金属部分のサビを取るには、まずピカールケアを1センチ程度、磨き用のクロスつけて金属部分に擦りつけ磨いていきます。
力を入れすぎると磨き傷やムラができるので注意しましょう。
汚れやサビが落ちたら、ピカールを研磨用の吹き上げ用のクロスで仕上げます。
ピカール使用にあたっての注意点
メッキ加工してある部分や指板、ゴールドパーツやギターのボディーにはメッキやコーティングが剝がれてしまうのでピカールの使用は、厳禁です。(ゴールドパーツを研磨剤で剥がす失敗は本当に多いので注意しましょう!!)
ガラス面は、使用できないため、アクリルギターには使用しないようにしましょう。(見た目が悲惨になります。)
ギターピックアップのサビ
ピックアップのサビ落としは、分解せずに表面上見えるとこだけ、手入れすることをオススメします。
しかし、ピックアップのサビが酷い場合、内部までサビや汚れがある場合は、交換をおすすめします。
なぜならピックアップの分解してのサビ取りは、手入れ中にちょっとした力加減で、コイルや配線を誤って断線させてしまうからです。
コイルや配線が断線したら、下手すると修理費用で新しいピックアップが買えたりします。
ピックアップを分解してのサビ取りに、自信がないのであれば楽器店の店員もしくはリペアマンに相談するのが良いでしょう。
ピックアップがサビるとどうなる
ピックアップは、サビの状態によって、接触不良が原因でアンプから異音やガリガリっとした不快なノイズが出てしまいます。
またサビや汚れが酷い場合は、断線により、そもそもアンプから音がでないこともあります。
ピックアップのサビの取り方
まず弦を必ず全て取り外して下さい。(弦を付けたままでは、作業効率が悪くなります。)
次に、ボディーにキズ付けないよう、ピックアップの周囲にマスキングテープなどで保護します。
ポイントとして、段階的に手間をかけていくこと。
第一段階として、ピックアップを乾拭き用のクロスで乾拭きします。
実はサビっぽく見えているだけで、乾拭きすれば取り除ける汚れだったりします。
その場合、乾拭きをするだけでキレイになります。
乾拭きしても取れなかった場合
第二段階として、研磨剤(ピカールなど)を磨き用のクロスに付けて、磨きます。
吹き上げ用のクロスで仕上げます。
研磨剤で磨いても取れなかった場合
第三段階として、耐水ペーパーで番数#600→800→1000→1200→1500と少しずつ傷を細かくしていきます。
仕上げに再度、研磨剤で磨き仕上げます。
このように初めから耐水ペーパーなどを使用せずに、なるべく手間をかけず段階的に実践すると短時間でキレイになります。
ピックアップを分解してサビ取りする方法
特に注意すべきは、コイルや配線部品を断線させないことです。
コイルや配線部分を手入れするときは、繊細で丁寧な作業が要求されます。
なぜなら、ピックアップはコイルや配線が繊細に施してあるため、ちょっとした手元の力加減を誤ると簡単に断線します。
ピックアップの取り付けネジや部品を取り外す際も、断線しないよう慎重な作業が必要です。
細かくまで手入れはしなくても良いと考えているならば、ピックアップ全体をクロスなどで力を入れすぎずに優しくなでるように拭き上げて下さい。
ギター弦のサビ
演奏後、ギター弦は、弦をサビにくくするように日頃の手入れが重要です。
- 弦は演奏後、ギター用のクロスを使って乾拭きする
- 市販されているギター弦用の酸化防止スプレーをギタークロスに吹き、弦を磨く
上記の2つを実践するだけでもサビ予防になります。
ギター弦のサビの原因は手の汚れや汗などがギター弦に付着したままにしておくと酸化し、サビます。
弦がサビるとどうなる
弦がサビたまま演奏すると、目でみてもわからないですが、ミクロサイズでフレットが削れていきます。
例えばチョーキング、カッティングなどの弾き心地に影響を及ぼします。
また、弦がサビることで音の伸びがなくなったり、詰まったような音がします。
弦のサビ取り方法
基本的に弦は消耗品なので新品の弦に交換をおすすめします。
弦のサビ取りには、紙やすりで弦を1本ずつ擦るやり方があります。
紙やすりで1本ずつ擦る弦のサビ取りは、誤ってフレットや指板を傷つけてしまう恐れがあります。
弦のサビ取りはコスパが悪いため、オススメしません。
ギターフレットのサビ
フレットのすり合わせが必要
ギターフレットのサビは、ブリッジやピックアップのサビと違い、放置しておくとギターとしての機能を発揮しなくなります。基本は「フレットのすり合わせ」が必要です。しかし、フレットのサビがあまりにも酷い場合は、フレットを交換する必要があります。
フレットの交換やフレットのすり合わせは、それだけ技術的に難しい作業だということです。
技術レベルの高いリペアマンであれば、1時間ほどでフレットの高さをキレイにそろえてフレットをピカピカに仕上げてくれます。
フレットがサビるとどうなる
フレットがサビることで、音が詰まったような感覚に陥ります。
音が詰まるとは弦を弾いた時の音の伸びがないことです。
それに加え、弦がサビることで指がフレットに触れたときの不快感や音程の狂いなどが生じ、演奏のパフォーマンスが悪くなります。
同様に、ネックが反っているときも同じように音が詰まったような感覚になることもあります。
フレットのサビ取りではなく、フレットのすり合わせを行う
フレットのサビ取りのほとんどはフレットのすり合わせで解決できます。
フレットのすり合わせは、技術レベルが要求されます。下手すれば、愛用のギターが弾きづらいギターになるかもしれません。
経験が無く自信がないのであれば、ご自身でやるのはオススメしません。自己責任で行って下さい。
フレットの状態がサビておらず、くすんでいる程度であれば液状の研磨剤でフレットを磨き上げるとピカピカになります。
フレットのすり合わせに使用するもの
- ネックの反りを調整する工具(アコギであれば六角、エレキギターはプラスドライバー)
- 600ミリのスケール(なければ300ミリのスケールでも可能)
- 紙やすり#600~1500
- 研磨剤(スプレータイプよりも液体のものが使用しやすい)
- マスキングテープ(指板を保護するため)
- 磨き用クロス
- 吹き上げ用のクロス
フレットのすり合わせ手順
ここではフレットのすり合わせを細かく解説すると、フレットのすり合わせだけで一つの記事になるため、大まかに要点だけ絞っています。
- 弦をギターから全て外し、弦がついていない状態でネックの反りをまっすぐにする
- スケールをフレットと直行させるようにあて、隙間を確認する
- フレットの高さが高い箇所を紙やすりで削る
- 再びスケールで高さ確認
- 番数を#1500まで3と4の繰り返し
- 高さが揃えば(隙間がなくなれば)研磨剤でフレットを磨く
- 乾拭きして仕上げる
ギターブリッジのサビ
ブリッジがサビるとどうなる
エレキギターやエレキベースは、ブリッジ部分で弦高調整するため、ブリッジのサビがひどいと弦高調整するビスが回らなくなり、弦高調整できなくなります。
アコギのブリッジ部分は金属ではないので、特に考える必要はありません。
ブリッジのサビ取り方法
サビやくすみの状態によっても磨き方は変わりますが、
ブリッジのサビ取りをキレイにしたいのであれば、パーツを全て取り外し、磨きます。
ブリッジ部分のサビ取りにあたっての注意点
- パーツを取り外す際、サビが酷いときほど慎重に分解すること
- (ビス穴がバカになったら使用できない)
- 金たわしなどを使用してパーツを磨かない
- (サビは取れてもキズが目立つ)
- クロスは研磨剤専用のものとして使用する
- (併用して使わない)
- ゴールドメッキ加工してある部分に研磨剤は使用しない
- (メッキが剝がれる)
ギターペグのサビ
ペグがサビるとどうなる
サビが酷い状態だとペグが回りにくくなり、弦のチューニング自体が困難もしくは不可能になります。
見た目よりも機能面に影響が出てしまいます。楽器としての役割を果たさなくなるのは、致命的です。
ペグのサビ取り方法
ペグのサビ取りについては、ブリッジのサビ取りと同様にパーツを分解して磨くとキレイになります。
ペグのサビ取りの注意点
- サビが酷くベース用のペグの取り外しは固くて困難な場合は、潤滑油を使用して外す
- 金属タワシは使用厳禁
- ゴールドメッキは研磨剤で磨かない
ギターのサビまとめ
- フレットのサビ取りは、フレットのすり合わせで対応する
- フレットのすり合わせは、演奏に大きく影響する箇所であり、状態によってはリペアの技術スキルが必要
- ピックアップ・ブリッジやペグのサビ取りは、紙やすりと研磨剤を使用して傷を細かくいれて最後に仕上げる
- 弦は、サビ取りを行うよりも新品に交換したほがコスパが良い
- ピックアップを分解して手入れする場合は、繊細な取扱いが必要
- ゴールドパーツは研磨剤を使用しない
- 研磨剤を使用するクロスは磨き用と仕上げ用の2種類以上、準備する
- ギターを毎日、5分程度弾く
ギター演奏後に、ほんの少しでも手入れをするだけでサビや汚れくすみは予防できます。
演奏後にギター全体をクロスで乾拭きするだけでキレイな状態が保たれます。
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