CONCERTO MOONは何度かボーカルを交代しているのですが、島紀史はそのボーカルに合わせて楽曲を製作しており曲作りのバリエーションも多いことが魅力。
様式美といわれる定番フレーズを盛り込みながらも、ジャパニーズメタルの要素やオリジナリティを含んでおり、耳馴染みの良い楽曲を製作して演奏します。
Concerto Moonの島紀史のギター機材と音作り、テクニックとプレイスタイルを詳しく見ていきましょう。
島紀史のプレイスタイル
島紀史のプレイスタイルはネオクラシカルスタイルといわれる、クラシック音楽を基調とした速弾きフレーズが印象的なギタープレイを得意としています。
また、スウィープ奏法にも優れています。
Yngwie Malmsteenからの影響が濃い印象で、本人同様に超絶速弾きフレーズを披露しています。
メロディアスな超絶ソロのみではなく、耳に残るリフも特徴的です。
影響を受けたアーティストにストラトキャスター使用者が多く、ストラトキャスターでハードロックジャンルの楽曲をCONCERTO MOONで披露しています。
低音でもクリアではっきりした音を好んでおり、歪みが少なめの印象です。
島紀史が多用するテクニック・奏法
ソロフレーズ
速弾きをメインとしたクラシカルなフレーズが多いです。
音数がかなり多く、コピーするにはかなりの練習が必要だと思われます。
特にスウィープフレーズはノイズがほぼなく、かなりクリアな音で演奏されています。
本人と同じように演奏できるようになるまでしっかりノイズを気にしながら取り組む必要があります。
好きなアーティストのリスペクトとも聴こえるフレーズが多く、ハードロック、メタル好きにはたまらないフレーズが多いです。
ただリスペクト的なフレーズであるだけでなく、島氏の演奏だとわかるポイントも多いです。
オリジナリティのあるソロを演奏しますよ。
バッキングフレーズ
曲はリフで決まると発言しており、かなり重要な要素として考えています。シンプルなものが少なく複雑に細かいポジションチェンジが多いです。聴きごたえもコピーしがいもあるフレーズが多いです。
高速のオブリを合間に挟んでくることが多く、バンドで完全コピーするには2人で演奏するか、通常のバッキングとオブリのフレーズの切り替えをはっきりしなければなりません。
島紀史の使用ギター
島紀史氏は、ストラトキャスターのみを使用しています。
ネックが細いものを好んで使用しており、立ち上がりの速さと、音の太さを重視して選んでいます。
トーンの調節にもこだわりを見せておりフロントピックアップのトーンは、1本1本好みの音がでる位置にテープで固定してずれないようにしています。
Fender Stratocaster 1974(black)
現在のライブのメインギターです。
半音下げチューニングで使用しています。
暗めの太いトーンが出るギターで、レコーディングではギターソロで使用されていることが多いギターです。
オリジナルのストラトキャスターからパーツ変更をしています。
- ナット
-
オイルをしみこませた牛骨。アーミングを多用するためです。
- フレット
-
ステンレス製でミディアムジャンボJescar Frets社のものを使用
- ピックアップ
-
FENDER Custom Shop Custom ’69 Strat Pickups Set。パワーを求めてのこと。
- ブリッジ
-
GOTOHトレモロの動きやバーの角度サウンドがお気に入りのようです。
- スプリング
-
RAW VINTAGE RVTS-1 トレモロスプリングを使用。
5本掛けで使用するタイプで、自分好みのトーンに代わりサステインが良くなるそうです。
ネックの幅が細く厚みも薄いギターです。
ここまで薄いネックは珍しいと言われた
という発言をしているのでかなり薄いものと思われます。
アッシュボディで音の立ち上がりの速さを求めて選んでおります。ネックはメイプルで、ラージヘッド仕様です。
Fender Stratocaster 1973(blonde)
Fender Stratocaster 1974(black)を購入するまでメインで使用していたギターです。
ネックは細いですがFender Stratocaster 1974(black)と比べると若干太く感じるようです。
シェクター社から販売されていたシグネチャーモデルは、このギターをもとに製作されました。
レコーディングでは、音のバランスが良くすべての音域が響くとのことでバッキングパートで使用されています。
ボディはアッシュで、ラージヘッドのメイプルネック仕様です。半音下げチューニングに設定。
Fender Stratocaster 1974 (3 tone-sunburst)
Ritchie Blackmoreと同じ色合いのギターを探して購入したモデルです。
3 tone-sunburstは個体差があるので、そっくりなギターを見つけるまで探したというエピソードがあります。
ネックは薄いですが幅が広い仕様になっており、メイプルネックでラージヘッドです。アルダーボディでミドルが強く出るギターなので、ドロップチューニングで使用しています。
Fender American Vintage 62 Stratrocaster(black)
本来は個人の趣味で使用することを考えていたギターです。
シンラッカーと呼ばれる極薄のラッカー塗装仕上げとなっており、本体の鳴りがとてもいいギターです。
ネックは細めのローズウッド指板でヘッドは通常サイズとなっています。ボディはアルダーでドロップチューニングのサブギターとして使用しています。
島紀史の使用アンプ
Marshallのきめ細やかな歪みを好んでおり、デビュー時から一貫してMarshallアンプを使用しています。
音の輪郭がはっきりすることも選んだ要因で、島紀史 氏 から影響を受けたアーティストもMarshallユーザーが多い印象です。
Marshall Major 1967
メインアンプで、出力は200Wのものを使用しています。
セッティングは
- PRESENCEはカット
- TREBLEは10時程度
- MIDDLEは14時程度
- BASSは10時程度
に設定で演奏しています。
低音でも音の輪郭がはっきりしており、音量を上げればこの特徴が顕著になると述べています。
現代マーシャルのバリバリ音と違い、独特なこのモデルならではのサウンドがお気に入りのようです。
不要なコンプレッションがかからないこと、再生できない音域がカットされる点が特に気に入っているそうです。
Marshall 1959
以前使用していたメインアンプです。セッティングはほぼ変わらないのですが、ミドルをほかのアンプより上げ気味にして使用していました。
70年代のロックアーティストが多く使用しているアンプで、暖かく太いサウンドが特徴のアンプです。
これらの特徴を踏まえて使用していたものと思われます。
Marshall Vintage Modern
レコーディングで使用される頻度が高いアンプです。
音が現代アンプと違ってまろやかな印象で、ピッキングニュアンスが表現しやすいと評価されています。
中音域が強く出る特徴があります。
セッティングは
REVERBは0
PRESENCE4
BASS3.5
MIDDLE6
TREBLE7
DYNAMIC RANGEはHIGH
このような設定で使用しています。
島紀史の使用エフェクター
プリアンプ
PMP BUF 945
歪みを上げる用途で使用しており、セレクターの役割も果たしています。
本人はこれがないと弾けないと話しているので、かなり重要なエフェクターです。
オーバードライブ
MAXON OD9
セッティングは
- DRIVE10時
- TONE10時
- LEVELはマックスで使用しています。
ノイズサプレッサー
BOSS NS-2
シングルコイルはノイズに弱いので必需品だと述べています。
つまみが多く細かい調節が可能なノイズサプレッサーです。
- THRESHOLD9時
- DECAY0
- MODEはREDUCTION
に設定しています。
フェイザー
EVH phase-90
高域をブーストする目的で使用しています。、
EVHモードをオフにしてMXRの古いフェイザーと同じトーンを目指して音作りをしています。
オクターバー
Electro-Harmonix Micro POG
オクターブフレーズを演奏する際に使用しています。音の厚みも増す効果があります。
- DRYをマックス
- SUB OCTAVE13時
- OCTAVE UPを0
に設定しています。
ディレイ
MXR Carbon Copy
音に厚みを持たせるためで、アナログディレイ、ロングディレイとして使用。
セッティングは
- REGEN8時
- MIX10時
- DELAYマックス
で使用しています。
BOSS RE-20
- BASS13時
- TREBLE14時近辺
- REVERB VOLUME0
- REPEAT RATE14時
- INTENSITY9時より少し上
- ECHO VOLUME10時
- MODE SELECTOR9時
で設定して利用しています。
ライブのみの使用で、レコーディングでは使用していません。
フランジャー
MXR EVH117 Flanger
こちらもペダルボードに入っていたことを確認しましたが、つまみにテープが貼られておりセッティングは確認できませんでした。
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パワーサプライ
Ex-pro PS-2
様々な電圧のエフェクターをつなげることや、電圧を目視できることが特徴のパワーサプライです。1台でまとめるために使用しているものと思われます。
ピック
Fenderのべっ甲製のミディアムを使用しています。
以前はヘビーのものを使用していましたが、ピッキングの方法を若干変更したのでしなりのあるミディアムになっています。
色によって、音の出方や、硬さが違いべっ甲が一番お気に入りとのことです。
シールド
Ex-pro FL SERIES
長い間使用しており、音質、取り回し、耐久性すべてに満足していると発言しています。
Concerto Moon/島紀史のテクニックが光る曲 5選
Angel Of Chaos
ギターを前面に押し出したハードな曲
今作はキーボードがいないため、ギターがいつもよりさらに目立つ曲構成になっています。
イントロから難易度の高いフレーズの応酬で、とても聴きごたえのある曲となっています。
チョーキングフレーズからの単音の音数の多いフレーズへの移行や、リフも移動が多くオブリもたくさん入ります。とても忙しい楽曲です。
ソロは、高速スウィープから始まりチョーキングを挟んでの超絶な速弾きが続きます。
右手の耐久力が必要で、高速ピッキングのスピードを安定させることが重要。
高速ピッキングを堪能したい方におすすめの楽曲です。
Concerto Moon
イントロからの速弾きで曲に引き込まれる
バンド名を冠した楽曲で、いきなり速弾きから始まります。
そして長い速弾きフレーズなので安定感がないと弾きこなせないですよ。このフレーズを聴いただけで、これは面白そうな曲だなと思わせてくれます。
オブリが多く曲調はメタルよりな印象です。
ギターソロはクラシックを思わせるミドルテンポなフレーズから始まり、徐々にスピードアップする展開。
速いフレーズの中でも、弦を飛び越えて移動するので不要なノイズを抑える技術が要求されます。
ギター弾きまくり曲で、バッキングでもキメやほかの楽器とのユニゾンが多いのでバンドとして合わせるのも大変な印象です。
収録アルバム
Savior Never Cry
激しいサウンドの中にきれいさが光る曲
荒々しいパワフルなボーカルに全く埋もれることのないギターフレーズを奏でています。
激しさの中にもどことなくきれいなサウンドが入っており、激しい曲と一括りにできない魅力が詰まっています。
この楽曲はブリッジミュートを基調にしながらも、コードチェンジやオブリが多く一筋縄ではいかない難易度の曲です。
ハードロックというよりメタルなサウンドが特徴で、もちろん速弾きフレーズも満載で聴きごたえのある曲。
イントロのフレーズは親指で押さえる箇所もあり、握り込みでネックを抑えることに慣れていない方は苦戦すると思います。
ソロは、スウィープからのクラシカルな速弾きを多用するものでスリリングなギターソロです。
Alone in Paradise
ネオクラシカルジャパニーズメタル
頭の静かなキーボードフレーズからの激しいギターで曲に引き込まれます。
王道ジャパニーズメタルを思わせる曲調に、クラシカルな速弾きフレーズが入ってきます。メインのリフはとてもスピードがあるので、ミスピッキングがないようにしっかりピッキングの順番を覚える必要があるフレーズです。
ギターソロは、AlcatrazzのJet to jetを思わせるような速弾きフレーズから始まり、キーボードとのソロバトルが展開されます。
どちらも高速なので、高揚感が得られるソロですよ。全体的に弾きまくりな曲なので、速弾きを堪能したいのであればこの曲を聴けば間違いないです。
収録アルバム
From Father To Son
正統派ハードロック
あまり手数が多くないリフで、ボーカルをしっかり聴かせる曲構成です。しかし、頭に残るリフでギターの存在感もしっかりしています。
ギターソロの超絶さに耳が傾きがちなバンドですが、シンプルなハードロックで印象的な曲を製作できることを証明した楽曲という印象です。
クラシックを思わせるペダル奏法を基調としたギターソロで、1音1音丁寧に演奏しているイメージでスピードも抑え気味です。
はじめてCONCERTO MOONをコピーする方はこの曲が演奏しやすいと思いますよ。このころは今よりも、ハイが上がり気味な音。
収録アルバム
島紀史のギター機材と音作りまとめ
今回はCONCERTO MOON島紀史氏を紹介しました。
ストラトキャスターにMarshallという王道サウンドをもとに超絶な速弾きを披露してくれるギタリストです。
大きな機材の変更はないと思いますが、エフェクターなどの変更は考えられるのでチェックしてくださいね。
雑誌やユーチューブで機材説明をすることが多いので、わかりやすいはずです。
最新アルバムが先日リリースされ、勢力的に活動をしているのでこれからも注目です。
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