BOSS/TR-2とは?
モジュレーション系の中でも出番が少ない印象の「トレモロ」ですが、好きな方や必要な音楽ジャンルにとっては重要アイテムとなっています。
フェイザーやコーラスなどが音がうねるの対し、トレモロは音量が大きくなったり小さくなったりして、縦に「ブツブツ」と切れるような効果が得られます。
そのトレモロエフェクターの中でも代表格であるBOSSのTR-2のレビューをしていきます。
BOSS/TR-2のスペック
商品名 | TR-2 |
メーカー | BOSS |
概要 | トレモロ |
特徴 | 主張しすぎないエフェクト |
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BOSS/TR-2の使用アーティスト
トムモレロ
「ベンチャーズ」や「シャドウズ」の曲には、ふんだんにトレモロサウンドが使われています。あのサウンドは当時のフェンダーのアンプに内蔵されていたトレモロだと思われます。
古いサーフロックなどに使用されていた「王道トレモロサウンド」はもちろんTR-2で再現できます。ですが、現代のロックギタリスト達は様々なエフェクターとの併用をして工夫し自分だけのトレモロサウンドを聞かせてくれます。
やはり、変な使い方な代表はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロでしょう。
トムはまさにTR-2を使用していますが、その無限の可能性を引き出してくれています。
色々な曲での使用が確認できますが、歪みと絡めたりコーラスと絡めたりスイッチング奏法と絡めたりで説明不可能な演奏を繰り広げています。
BOSS/TR-2の音質や特徴
特徴1 コントロール部
- ■ RATE
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揺れの幅を調整できます。
- ■ WAVE
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揺れの波形を調整できます。左に回すほど緩くなり、VOXアンプに付いているような慣れ親しんだ音になります。
逆に右に回すと音が激しくスライスされたような感じになります。 - ■ DEPTH
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揺れの深さを調整できます。
特徴2 とにかく使いやすい
シンプルなコントロールでBOSSのエフェクターでお馴染みの「ツマミを全部センターにすれば使えるサウンドになる」はTR-2にも反映されています。
全部真ん中から好きなポイントを探っていくのは、どのエフェクターでも使用上の基本ですが、BOSSのエフェクターは特に優れています。
ちなみにTR-2で全てセンターは「王道トレモロサウンド」的な、よく聞くサウンドになります。
タップテンポ機能があったらなんても思いますが、それはデジタル回路ではないと無理でしょうから、アナログの良さを噛みしめつつTR-2ならではの音を味わっていきたいですよね。
BOSS/TR-2のデメリット
音量が小さくなる
BOSSのTR-2は確かに音量が下がります。
それが音痩せしたようにも聞こえ、デメリットとして感じてしまうかも知れませんが気にならない人は気にならないレベルだとは思います。
個人的には全く気になりません。言われてみれば…程度です。
経験上のお話しです。
以前、フルトーン(FULLTONE)のトレモロを使った時に思ったのですが、フルトーンのトレモロはオンにすると音が大きくなる使用でした。
クリーンで薄っすらとかけたかったり、単音リフに何となくかかっていてほしい場面が多いエフェクトなのに、オンにするとグッと存在感が増しすぎてしまいました。
そうなるとギター側で慌ててコントロールしなくてはいけなかったので大変でした。
その点、TR-2は尖りすぎず、フルトーンのトレモロを使った時にみたいな存在感が増しすぎてしまうという事がなかったので「BOSSのトレモロはほどよい設定にしてあるんだな」と思いました。
ですが、ウェブ上では「音量が下がるから使えない」みたいな事がよく書かれているは事実です。
それを改善するためにモディファイ各社がTR-2を改造して販売しています。
そして、これは驚く情報なのですが、BOSSがこっそりとTR-2をアップデートしているらしいのです。
噂では製造年が2006年以降に作られたTR-2にトリムポットが増設されていて、極細ドライバーで回すとエフェクトレベルが調整できるらしいのです。
※ちなみに筆者でも2011年製造のTR-2にトリムポッドが増設されていたのは確認済
こんな大事なことをユーザーに発表しないBOSSも凄いですが、もしかすると音量の問題はBOSS側からすると「気にするほどのことではない、発表するほどのことでもない」ってことなのでしょうか。
BOSS/TR-2の使い方や音作りのコツ
使い方1 曲のテンポにあわせて
8ビートの単調になってしまいそうな曲に、テンポと揺れを合わせてコードチェンジの頭に弾くと、ストロークやダウンピッキングで刻んでしまうより新たなノリが出ます。
使い方2 かけっぱなしの曲を作ってしまう
使いどころが難しいと言われがちなエフェクターですが、印象づけるにはもってこいのサウンドが出ますので専用の曲を作ってしまい、かけっぱなして弾くというのもありですよね。
ボ・ディドリーの曲には、よくトレモロかかりっぱなしの曲がありました。
ザ・スミスの「How soon is now」もトレモロギターで構成された良い曲です。
使い方3 アルペジオには薄目で
クリーントーンのアルペジオにトレモロが合います。個人的は薄っすらとかけるのが良いと思います。
コーラスの冷たい揺れでもなく、フェイザーの存在感のある揺れでもない独特な雰囲気が出せます。
使い方4 スライスサウンド
ツマミを全部フルにしてファズと絡ませますと攻撃的な機関銃を撃ってるような音になります。
とても目立ちますので効果的に曲に盛り込みたいところです。
使い方5 JHSモディファイがイイ!
出来の良い人気のあるエフェクターには、モディファイ品が存在し眠っている実力が引き出され販売されています。
TR-2もモディファイ各社により改造されていますが、なかでも「JHS」のモディファイは素晴らしく使える機能も追加されています。
変わった点は中高域が上がった印象で「抜ける目立つ音」になっています。インプットジャック付近にレベルが増設されてエフェクト音量が調整できるようになっています。
視認性もRATEの下に揺れのスピードに合わせて点滅するLEDライトも追加されアップしています。他にも「Two Speed Mod」なる機種も存在し、こちらは更にスイッチとスピードコントロールが追加され2種類のスピードが瞬時に切り替えられるようになっています。
DCジャック付近に増設された赤いノブがもう一つのRATEとなり、こちらで別のスピード設定が出来ます。
追加されたフットスイッチを踏むとLEDライトが赤点滅に変わり赤いノブで設定したスピードに変わるわけです。これはライブ中にかなり使える機能かと思われます。派手に使いたい方にはTR-2のJHSモディファイはかなりお勧めです。
ちなみにamazonでは現在販売されていないようです。
楽天にはTR-2のJHSモディファイの取り扱いがありました。
BOSS/TR-2と似ている同価格帯の機材と比較
TR-2の前機種ではないのですが、同じBOSSの「PN-2」が価格帯も効果も似ています。
違いは、PN-2はレコーディング上で使うテクニックの「オートパン」がエフェクトで出来てしまうというものです。
PN-2はデジタル使用ですので、音色や揺れの雰囲気はTR-2に負けてしまいますが、ROLAND JC-120などでステレオ接続して、パンで出力してあげますと持っている効果を発揮いたします。
パンの揺れのスピードがLEDライトの点滅で確認できるようになっています。
BOSS/TR-2を実際に使った感想
昔からロックサウンドのそばにいたエフェクターですので上手におしゃれに使っていきたいですよね。
セッションに持っていた場合、コーラスやフェイザーのようにアドリブソロにかけっぱなしみたいな使い方は出来ませんが、クランチの単音リフにはハマりますので、そんな場面に積極的に使っているエフェクターです。
BOSS/TR-2はこんな人におすすめ
サーフロックをやるにはトレモロとリバーブが必須アイテムですので演奏上必要となります。
そこでTR-2はそのとっかかりにおすすめ。
TR-2は初めて買う方にもおすすめしたい理由はコスパの良さもありますが、トレモロ機能はバランスが良くて最小限のTR-2で良いのではないかと思っているからです。
普通の使い方でしたら全く問題ありません。
他のエフェクターと併用しても相性が悪いものは今のところ感じたものはありませんし、攻めのエフェクトを作るにもTR-2のように基本がシンプルだと考えやすいです。
デメリットとしてウェブ上で書かれている若干の音痩せや、それを解消するモディファイ品もありますが、なんでも良い物に変えてしまえば良いとは限りません。
特に音楽の世界は「良い塩梅」という言葉が当てはまる場面が多くあります。
まずは良い塩梅の「BOSS TR-2」をご自身のギターと接続してみてください。扱いやすいのでおすすめですよ。
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