ML-2とは?
ハイゲインになると失われがちになる「音の輪郭」をキープしながらも、強力で攻撃的なディストーションを生み出すペダルが「BOSS ML-2」です。
特徴はHIGHとLOWにわけられたトーンノブで、メタル・サウンドに欠かせない「ドンシャリ」感をアンプやギターに合わせて簡単に調整できるところです。
これは現代のヘヴィメタル・サウンドに必要な要素
▪ ダウンチューニングやドロップDなどの変則チューニング。
▪ すでに定番化しつつある、7弦ギターの使用。
に対応するもので、ML-2を使いこなせば自分だけのディストーション・サウンドが作れるのです。
ここがおすすめ
- 硬質で重低音
- 単体での使用可能
- 空間系とモジュレーション系との相性が良い
- ハイゲインで綺麗なまとまりあるサウンド
BOSS/ML-2 Metal Coreの音質や特徴
特徴1 コントロール部
■ DIST
歪み量を調整ができます。
■ HIGH
高音域の調整ができます。
■ LOW
低音域の調整ができます。
■ LEVEL
音量を調整ができます。
特徴2 よく効くTONE
搭載されています二つのトーンが「よく効く」と言いますか、効き過ぎますね。12時の方向ですでにかなりの「ドンシャリサウンド」ですので、9時ぐらいから上げていくのが良いです。たぶんHIGHとLOWどちらとも9~10時あたりで落ち着くんじゃないでしょうか。
最近の「アニソン」などでよく耳にする「金属的」な音も演出できます。
▪ ハムバッキング搭載のギターでリアピックアップを使用。
▪ HIGH 11時 LOW 9時あたりにセッティング。
▪ 歪み量はお好みですが潰れない程度が良いでしょう。
特徴3 デジタル・エフェクターの歪み
デジタル回路で作られた歪みは苦手でしたし信用していませんでしたが、近年のBOSSのデジタル・シリーズの歪みは「ついにここまで来たか」という感想です。忌み嫌われていた「デジタル臭」と呼ばれる独特な聴感は取り除かれローノイズです。よほどのハイゲイン・サウンドが必要ない限り「ノイズ・リダクション」などは必要ないかも知れません。肝心の音の方はMESA BOOGIEの大ヒットハイゲイン・アンプの「レクチフィア」を意識した、激しく歪んでいるのだけど音のきめが細かい綺麗な歪みの「レクチ系」と呼ばれるサウンドをイメージして頂きますと良いと思います。
BOSS/ML-2 Metal Coreのデメリット
デメリット1 オンリーワンのサウンド
Ml-2を購入する方は「強力な歪み」を求めている方でしょうから「クランチ・サウンド」なんて出なくてもよいでしょうから、デメリットにはならないかも知れませんが「ハイゲイン・サウンド」しか出ません。ゲイン0でも歪んでいますのでヘヴィメタル以外のジャンルですと対応できるのはグランジぐらいです。
BOSS/ML-2 Metal Coreの使い方や音作りのコツ
使い方1 硬質で重低音
メタルと名の付くエフェクターはどれも激しく歪んでくれますが、アンプからの出音が真ん中に集まり低音が弱い感じがしていました。これは「ドンシャリサウンド」を作っていく上で仕方ない事だと思っていましたが、ML-2は低音に迫力があり少し歪み量に気を配ってセッティングした方が良い結果が出ます。ゲインは最高でも2時あたりがお勧めです。トーンの方はお使いのギターでセッティングが少々は変わってはきますので、色々と試しながら重心低めの硬い音の塊を作ってみて下さい。
使い方2 単体での使用
どんなアンプにつないでも自我を発揮し「無敵の歪み」を出してくれますので、ML-2使用時は歪み系は一つだけで良いように思います。前後にブースターも試しましたが、その「強力な歪みアピール」が故にあまり意味が無いように思えました。ギター側のボリュームへの追従は、デジタル処理の歪みですので良くはありませんが、ボリューム・ペダルを設置してペダルを上げた状態をギター側のボリューム8ぐらいのセッティングにしておき、ソロの時には踏み込んでフルにするという使い方がしっくりきました。
使い方3 空間系とモジュレーション系との相性
他の歪みエフェクターとの相性はイマイチでしたが、空間系とモジュレーション系のエフェクターとの相性はとても良いです。どんどん併用しましょう。特にコーラスとの相性は抜群で、薄くかけるとコーラスの揺れがML-2の歪みに絡みつき音の輪郭が際立ちます。
BOSS/ML-2 Metal Coreと似ている機材と比較
MT-2 Metal Zoneとの違い
BOSSのハイゲイン・ディストーション・ペダルには、長い間「ベストセラー」を続けている「Metal Zone」があります。ML-2は後継機かと思いましたが、内容はかなり違うようです。
Metal ZoneとML-2の大きな違い
MT-2 Metal Zoneは
▪ アナログ回路である。
▪ ノイズ対策は必要。
▪ イコライザーにミドルが付いている。
▪ 1991年に発売されているので「その年代に流行っていた歪み」を狙って設計されている。
音色のコントロールのバリエーションや、古き良き温かみのある歪みは現役でも通用しますが、やはり近年求められている、ノイズレスであったり重低音への対応はTL-2の方が優れています。
ML-2はデフォルトで「ドンシャリ」なトーンが設定されていますので、ツマミを全てフラットでもそれなりの「メタル・サウンド」になります。その点、Metal Zoneは「MID FREQ」なるミドルの微調整ができるツマミが付いていますので、ドンシャリ・サウンドを作る上での重要項目ミドルのカットが任意で行えます。トーン・コントロールのふり幅が広くなる良い機能なのですが、ML-2に受け継がれなかったのは「微調整が難しい」という意見があったからでしょうか。EQの大切さを理解していて、器用に触れる方はMetal Zoneでサウンドを追い込んでいく方がオリジナルの音が作れるかと思います。
BOSS/ML-2 Metal Coreを実際に使った感想
ダウンチューニングがロック・ギターに採用され、すでに数十年の時を経ましたが、現在では「2音半下げチューニング」が使われているとかいないとか聞きました。低音化していくギター・サウンドに対応していくエフェクターが必然的に必要です。BOSSは一時期「歪み系」の新製品を出さない時期がありましが、沈黙破り満を持して発表されたのが「BOSS ML-2」です。新しい時代のメタル・サウンドを演出するための、ハイゲインで綺麗なまとまりあるサウンドだと思いました。
BOSS/ML-2 Metal Coreはこんな人におすすめ
■ あまり考えずにメタル・サウンドを出したい。
■ アンプは持っていないので、Roland JC-120でもヘヴィメタル・サウンドが出るエフェクターを探している。
ハイゲイン・ペダルはこれ一つでほとんどの事がどうにかなってしまいそうです。ただ、自我が強すぎるために「誰でも同じ音」となる事態に陥ります。気軽に最高のゲインを得られる代償のように思えますが、空間系やモジュレーション系との相性は良いですから、自分なりの色付けをして個性を出していくことはいくらでもできますね。Metal Coreの名の通り限定的なジャンルに適し音も偏っていますが、不器用さこそがこのエフェクターの魅力でしょう。
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