STRYMON/Riversideとは?
STRYMON(ストライモン)Riverside(リバーサイド)はストライモン初の歪み系エフェクターとして、2016年に満を持して発売されました。
アナログ回路と真空管分析の研究を経て、デジタル回路とアナログ回路のハイブリッド構造で作られた性能とサウンドは、瞬く間に世界中に広がりギタリスト達を魅了しました。
この記事ではSTRYMON/Riversideのレビューと使い方を紹介。また、音作りのコツも紹介しています。
リバーサイドと似た機種を迷っている方必見です。
STRYMON/Riversideのスペック
商品名 | Riverside |
メーカー | STRYMON |
概要 | オーバードライブ |
STRYMON/Riversideのコントロール部
- 【各ツマミの機能】
-
- LEVEL
- エフェクトの音量を調整できます。
- DRIVE
- 歪みの量を調整できます。
- TREBLE
- 高域を調整できます。
- MIDDLE
- 中域を調整できます。
- BASS
- 低域を調整できます。
- LEVEL
- 【ピンスイッチ】
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- 「GAIN」
- high…激しい歪みが得られるモードです。
- low…クリーンサウンドから軽いクランチまでが得られるモードです。
- 「PUSH」
- norm…通常のノーマルなサウンドです。
- mid…ミドルのブーストが追加されます。
- 「GAIN」
- 【背面パネル】
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- PRESENCE
- マイナス…低音域を強調できます。
- センター…ノーマルのポジションです。
- プラス…高音域を強調できます。
- PRESENCE
STRYMON/Riversideの音質や特徴
特徴1 PUSHスイッチ
PUSHスイッチはミドルのブースト機能です。midを選択することにより、サウンドをタイトに引き締めファットなドライブ感を得られます。
特徴2 ノイズリダクション
リバーサイドはよく効くノイズリダクションも搭載しています。
設定方法は簡単です。ONのフットスイッチをLEDが点滅するまで長押したら、DRIVEのツマミがノイズリダクションの調整ノブに変わります。後はノイズの程度によって右に回しながら調整していき、終わったらもう一度ONスイッチを押して保存です。
あまりかけ過ぎないのがポイントで、必要なサスティーンまで消してしまわない程度に調整しましょう。
特徴3 FAVORITEモード
お気に入りのサウンドをひとつだけ記録できます。やり方は簡単で、音を作った状態でFAVORITEスイッチを長押しで記録されます。
活用法の例として、ソロ用としてハードゲインサウンドをFAVORITEスイッチに記録しておいて、通常のバッキング用のサウンドをクランチで作れば2種類を使い分けることができます。
特徴4 バイパスの種類を選べる
リバーサイドはトゥルーバイパスかバッファードバイパスを選択できます。
選択方法は、ONスイッチを押したまま電源を挿します。するとLEVELのツマミが選択ノブに変わり、ゼロからセンターまでがトゥルーバイパスで、センターからマックスまでがバッファードバイパスとなっています。選択した状態で、どちらかのフットスイッチを押せば登録完了です。
直列で複数エフェクターをつなぐ場合やシールドを長くして使う場合などは、音質劣化の少ないバッファードバイパスを選択して、エフェクターの最初の方にリバーサイドをつなぎ良質なストライモンのバッファーの恩恵を受けましょう。
特徴5 BOOSTの追加機能
別売りのストライモンFAVスイッチをつなぐことで、最大+6dBのブーストが得られるようになります。
FAVスイッチをつないだ状態で、ONスイッチを長押ししますと、LEDが早く点滅しはじめます。LEVELのツマミがブースト量の設定ノブに変わりますので調整していきます。センターで+3dB、マックスで+6dBとなります。
特徴6 エクスプレッションペダル
エクスプレッションペダルを使うことでレベルやドライブのノブをペダルでコントロールすることができます。
エクスプレッションペダルはつなぐだけでレベルのコントロールができる「ボリュームモード」となります。
他の設定は、ペダルをつないだ状態で、ONとFAVORITEスイッチ両方をLEDが緑に点滅するまで長押しします。ペダルをかかと側にすると、FAVORITEスイッチのLEDが緑に点滅しますので、ツマミを(複数記録できます)調整したい最小の位置に設定します。するとLEDが赤に変わります。
次にペダルを踏み込んだ位置にすると、FAVORITEスイッチのLEDがまた緑の点滅に戻りますので、ツマミを調整したい最大の位置に設定します。調整が終わるとLEDが赤に変わり、最後にどちらかのフットスイッチを押せば保存完了です。
これでリアルタイムでツマミをペダルでコントロールできますので、ライブでのサウンドバリエーションがかなり増えることになります。
STRYMON/Riversideのデメリット
デメリット1 綺麗系に歪む
綺麗にむらなく歪む音が嫌いだという人もいます。たしかに隙のない極上のサウンドは、冷たい印象を受けてしまうかも知れません。
STRYMON/Riversideの使い方音作り
使い方1 FAVORITEスイッチとブースト追加機能
FAVORITEスイッチとブーストスイッチ(別売り)を併用して使うことで、合計4種類の歪みが使えることになります。
これで演奏の幅がかなり広げられ、リバーサイド一台で多くのジャンル(ヘヴィメタルは厳しそうですが)に対応できます。
4種類の歪みとは
- 基本となるサウンド(ONスイッチで呼び出す歪み)
- FAVORITEスイッチに記録しているサウンド
- 基本となるサウンド+ブースト
- FAVORITEスイッチのサウンド+ブースト
です。セッティングも一度してしまえば、あとは何も面倒なことはないので活用していきましょう。
使い方2 PUSHスイッチ
ミドルレンジを押し上げてくれるスイッチですので確かにプッシュされるのですが、ミドルを強調するというよりは違う歪みキャラクターを選択したようなサウンドです。
ローミッドが上がり歪み量もプラスされる印象ですので、ハードに弾きたい人はPUSHスイッチを使い荒々しい歪みを作りましょう。
STRYMON/Riversideと似ている機材と比較
SUHR Eclipseとの比較
SUHR(サー)は、John Suhr(ジョンサー)氏が立ち上げたアメリカの高級ギターブランドです。サーのエフェクターでは、ローノイズで極太のディストーションペダルRiot(ライオット)が有名です。
完全独立2チャンネルで、REDチャンネルとBLUEチャンネルで分けられています。Eclipse(イクリプス)の最大の特徴は、両方のチャンネルの回路がまったく同じ仕様となっているところです。
つまり、両チャンネルの調整を同じにすれば同じ音が出るわけですが、各チャンネルに微妙な差をつけることで自然な切り替えやゲインアップができると同時に、まったくトーンカラーの違う歪みを切り替えたりもできるのです。
直列でつなぐ機能は付いていませんが、イクリプスはゲイン幅も広く、音が潰れて使えないポイントがありませんので問題ありません。
歪みが2種類で拡張もできないので、音作りの幅はリバーサイドに比べると少なくなってしまいます。ですが、サーのライオット譲りのハードゲインが2台ついているのは魅力的です。
お値段はでリバーサイドより少し安価です。リバーサイドの歪みが物足りなさそうだと思う人はイクリプスを選択されてみてはいかがでしょう。
BOGNER Ecstasy Redとの比較
BOGNER Ecstasy Red(ボグナーエクスタシーレッド)は、同社のEcstasy(エクスタシー)というアンプのレッドチャンネル(プリアンプ部分)を抜き出したディストーションペダルです。
BOGNER(ボグナー)は改造マーシャルで有名になったメーカーですので、ハイゲインを得意としています。中でもエクスタシーは人気が高いハイゲインアンプで、グリーン、ブルー、レッドの3チャンネルで構成されています。
エクスタシーのチャンネルの中でも一番歪みが強いのが、エクスタシーレッドに採用されているレッドチャンネルです。
エクスタシーレッドはマーシャル系のハードゲインでありながらも、各弦の音の輪郭を損なうことなく分離よく歪んでくれます。各ミニスイッチで歪みのキャラクターが変えられ、ブースターも内蔵していますので多彩な音作りも可能となっています。
リバーサイドの綺麗系の歪みが気になる人や、改造マーシャルの音が好きな人はBOGNER Ecstasy Redを選択されたほうがよいでしょう。
その他似ている機種
STRYMON/Riversideを実際に使った感想
個人的には、ギター側のボリュームへの追従がよくない歪みペダルは、だんだんと使わなくなってしまう傾向にあるのですが、リバーサイドのすごいところは、どんなサウンドメイクにしても追従が素晴らしいところです。
激しい歪みを得ることができますので、手元のボリュームとFAVORITEスイッチを使うだけでも幅の広い演奏ができます。
その他、驚いた機能は自然に効いてくれるノイズリダクションで、神経質な人も納得させる性能だと思いました。
STRYMON/Riversideのまとめ
歪みエフェクターは多くのギタリストにとってギター本体と並び「名刺代わり」となる重要な存在です。したがって、みなさんエフェクター選びは、慎重に選んだり冒険してみたり情報に翻弄されたりと迷走していることと思われます。
ご紹介してまいりましたストライモンのリバーサイドは、新しい基準を示してくれたのではないでしょうか。
理由は、世界中の一流ギタリストがこぞって使用し、その美しく激しいドライブサウンドの性能を証明しているからです。
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