マイケルシェンカーはフライングVがトレードマークのギタリストです。彼ならではのスタイルを持っており、サウンド面やステージング共に唯一無二のスタイルを確立しています。
ファンからは、神と呼ばれるほどのカリスマ性を誇っています。アルバムの邦題も「神」、「神話」と名付けられており、評価がとても高いことがわかります。現在も精力的に活動をして、ファンを楽しませてくれていますよ。年々曲のテンポが落ちてきており、タメを効かせた重みのある演奏を披露してくれています。
ペンタトニックスケールを軸にしたサウンドが特徴で、耳馴染みの良いフレーズを奏でてくれます。彼ならではの奏法も存在しています。
完璧主義者としても知られており、ミスがほぼない正確な演奏が特徴です。
今回はマイケルシェンカーを語るうえで欠かせない奏法と、マイケルシェンカーのテクニック満載のおすすめしたい名曲を紹介しています。
マイケルシェンカーの奏法
ハウラー
エナジーチャンネルと呼ばれる円形の金属片をピックスクラッチのようにこすることで、キュイーンという金属サウンドを生み出す奏法です。ライブの冒頭で披露することが多く、観客を一気にひきつけますよ。
左手でトリルをしながら、右手でハウラーサウンドを生み出しています。
ネックベンド
右手でボディを押さえながら左手でネックを裏側から押し込むことで、アームダウンに近いサウンドを生み出すことができる奏法です。マイケルはこの奏法で、ネックを何本も折っています。あまりお勧めできない奏法です。本人は折るたびに音が良くなると発言していますが、真相はわかりません。
ビブラート
激しかったり幅の大きいビブラートではないのですが、歌うようなビブラートが特徴です。染みるような哀愁のあるフレーズで頻繁に使用されます。どこでもビブラートをかけるわけではなく、かけるべきところを理解して演奏します。そのおかげで、ビブラートを際立たせることに成功していますよ。
チョーキング
粘るようなチョーキングが魅力です。このチョーキングのおかげで、泣きのフレーズがとても哀愁性を持つものになっています。フレーズに引き込まれる絶妙なチョーキングなので、ぜひ参考にすることをおすすめします。
曲によっては2音上げのチョーキングなどもあるので、ギターの握力が必要になりますよ。
トリル
マイケルは、ソロにトリルを入れることが多いです。左手の持久力が試されるので、日ごろの練習で慣れておかないと演奏が難しいですよ。ハウラーの時やギターソロでよく登場し、1ポジションずつ上昇や下降するフレーズが多いです。
レガート
速弾きの時によく使われる奏法です。音がはっきりしているように聴こえますが、すべてピッキングしているわけではなくレガートを多用しています。
きれいなレガートサウンドを出すためには、左手のみで弦を弾く感覚を養う必要があります。ひたすら反復練習で手を鳴らすことが大切です。
おそらく、マイケルもかなり練習して得た技術だと思われます。
ステージング
フライングVを腿に挟むように固定することが特徴です。その状態で左足でリズムを刻んだり、左右に体を揺らしながら演奏をする独特なスタイルです。ギターソロになると体制が前のめりになり、くの字ともいえるくらいに前傾姿勢です。
マイケルならではの姿勢なのですが、ステージ映えしてとてもかっこいい印象を受けます。
マイケルシェンカーのおすすめ名曲10選
Lights Out
名曲度 | 98 |
チョーキング | 78 |
ビブラート | 69 |
レガート | 74 |
ブリッジミュート | 70 |
難易度 | 75 |
疾走感のあるスリリングな楽曲
速いフレーズが多いわけではないですが、とても疾走感がありつつ曲に惹き込まれることが名曲の理由です。ギターの面から言うと、歪みが少なくサステインがないこの音で最後まで弾き切れるのかという驚きがあります。曲が短く感じてしまうほどかっこいい楽曲ですよ。
コピーする際には、ブリッジミュートが曲の雰囲気を決めると言えます。歯切れのいいサウンドで演奏しないと、この楽曲の魅力は半減してしまいますよ。ギターソロはチョーキングが多く、表情を付けるものや速弾きの中に組み込まれているものなど種類があります。しっかりと聴きこみ、使い分けることが重要です。速弾きの部分はレガートを使用していると思われます。
UFO時代の楽曲で、1977年発売のアルバム「Lights Out」に収録されています。邦題は「新たなる殺意」です。
Armed and Ready
名曲度 | 98 |
チョーキング | 80 |
ビブラート | 78 |
レガート | 75 |
ブリッジミュート | 60 |
曲全体の難易度 | 72 |
アグレッシブなギターのリフが一体感を生む楽曲
マイケルシェンカーの代表曲といえば、この楽曲を挙げる方が多いと思います。出だしのリフで名曲だと感じられるほどのインパクトがあることが名曲の理由です。現在でも必ず披露されるが曲ですよ。
出だしのリフはしっかりブリッジミュートを掛けるというより、ブリッジミュート時の右手の位置が肝になると思います。歯切れよりも、重厚感のあるしっかりとした音を出すことに意識をむけたほうがいいですよ。初心者でも演奏しやすいリフです。
ギターソロはストレッチのあるレガートや、ポジション移動の多い速弾きチョーキングフレーズなど、厄介な点が数点あります。ゆっくりとしたテンポからしっかり覚えましょう。2音上げチョーキングもあるので、チョーキング練習にピッタリな楽曲です。
Michael Schenker Groupの1980年に発売されたアルバム「The Michael Schenker Group」に収録されています。邦題は「神(帰ってきたフライング・アロウ)」です。
Captain Nemo
名曲度 | 97 |
チョーキング | 77 |
ビブラート | 75 |
弦とびピッキング | 82 |
曲全体の難易度 | 78 |
ノリの良さから哀愁漂うフレーズまでもを網羅したインストナンバー
イントロのメインリフの素晴らしさが名曲の理由です。不思議な感覚を覚えつつもリズム感が良く乗れるリフです。楽曲後半の哀愁漂うフレーズも魅力で、まさにギターが歌っているという評価がピッタリだと思います。
ギター演奏の際には、イントロのメインリフが難関です。弦とびピッキングや指の位置が入れ替わることによる指のもつれに注意が必要です。不要なノイズが出ないようにしっかりとしたミュートが必要で、歌わせることを意識して演奏すると雰囲気がつかみやすいですよ。スライドとチョーキングの合わせ技もあるので、ニュアンスが重要です。
Michael Schenker Groupの1983年発売のアルバム「 Built To Destroy」に収録されています。邦題は「限りなき戦い」です。
Into the Arena
名曲度 | 96 |
チョーキング | 74 |
ビブラート | 70 |
トリル | 65 |
曲全体の難易度 | 77 |
アグレッシブでハードなインストナンバー
曲の構成が素晴らしく、見せ場がいくつもある楽曲です。テクニックがたくさん盛り込んでありつつ、歌うような表現があることが名曲の理由です。
始めの3連単音リフが最初の関門です。音の切れが全くないので、運指やリズムをしっかり把握することが重要になります。ペンタトニック系の速弾きが多く、薬指への負担が大きいです。直後にトリルも入るので、力を入れすぎないことが必要になりますよ。マイケルは小指をほとんど使わないですが、演奏が難しい場合は小指を用いてペース配分をしてもいいかもしれません。
楽曲の後半の落ち着いたフレーズは、ギターを歌わせるように演奏することが肝です。チョーキングやビブラートでしっかりと感情を表現することが大切ですよ。
Michael Schenker Groupの1980年に発売されたアルバム「The Michael Schenker Group」に収録されています。
Cry for the Nations
名曲度 | 95 |
チョーキング | 78 |
ビブラート | 70 |
レガート | 72 |
曲全体の難易度 | 74 |
情熱的でアグレッシブな楽曲
各パートにパワーがあり、情熱的な楽曲であるということが名曲の理由です。現在でも披露されることが多い楽曲で、マイケルのギターテクニックを存分に堪能できる魅力がありますよ。イントロのキーボードのおとなしい雰囲気から一気に切り替わるポイントで楽曲に惹きこまれます。
リフはカッティングをする感覚で演奏すると雰囲気を出しやすいです。ギターソロはチョーキングが多く、同じポジションでリズムや音程を複数表現します。音を外さないことが重要ですよ。速弾きをしながらフェードアウトで終わる楽曲なので、アドリブを入れるか、またはライブ映像の研究が必要になりますよ。ある程度自由に演奏しても崩れないが曲だと思います。
Michael Schenker Groupの1980年に発売されたアルバム「The Michael Schenker Group」に収録されています。
Rock Bottom
名曲度 | 95 |
チョーキング | 71 |
ビブラート | 71 |
ボリューム奏法 | 60 |
曲全体の難易度 | 70 |
マイケルシェンカー詰め合わせ
メインリフの素晴らしさも名曲の理由なのですが、ギターソロが一番の魅力です。数分にもわたる長いギターソロで、マイケルの持ち味である技術をほぼすべて詰め込んだような構成となっています。ライブではさらに長く、6分前後の曲が10分を超えることもよくありますよ。観客とのコールアンドレスポンスでライブ会場が1つになる楽曲です。
ギターはそれほど難しい点はありませんが、ボリューム奏法が使われていることが特徴です。ボリュームノブで遅れた音を表現できますよ。ボリュームペダルで代用すると簡単にできます。その後のソロはペンタトニックスケールをベースにしたフレーズが多く、薬指が疲れやすいです。手の力を入れすぎないように意識することが大切です。
UFO時代の楽曲で、1974年のアルバム「Phenomenon」に収録されています。邦題は「現象」です。
Doctor Doctor
名曲度 | 94 |
チョーキング | 71 |
ビブラート | 70 |
アルペジオ | 70 |
曲全体の難易度 | 70 |
小気味のいい刻みが魅力のロックナンバー
出だしのアルペジオがとてもきれいで惹きこまれたところに、小気味の良いギターが入ってきて一気にロックナンバーへと切り替わります。バンドとしての一体感がとても感じられることが名曲の理由です。
歯切れのいいサウンドと、チョーキングが肝になる楽曲です。難しいフレーズが少ないので演奏しやすいですが、間奏のチョーキングとビブラートで個性を出していくことが重要ですよ。バッキングもしっかりと雰囲気を出さないと、ノリが悪くなるのでリズムを意識しながら演奏するとニュアンスをつかめます。
UFO時代の楽曲で、1974年のアルバム「Phenomenon」に収録されています。
Feels Like A Good Thing
名曲度 | 94 |
チョーキング | 74 |
ビブラート | 67 |
ブリッジミュート | 64 |
曲全体の難易度 | 74 |
明るくいつもと違うマイケルシェンカーが見られる楽曲
ノリがよく覚えやすい歌のメロディーと、後ろで自由でノリノリなギターがとても魅力的であることが名曲である理由です。アグレッシブで明るく、いい意味でマイケルらしさがあまりない楽曲ですよ。現在でもよく披露される楽曲です。
ハードなメインリフがとてもかっこよく、コピーしたくなる楽曲です。リフの難易度はあまり高くないので問題なく演奏できると思います。サビ裏のブリッジミュートは単音フレーズなのですが、ミュートというより太いサウンドを出すことを意識すると雰囲気が出ますよ。ソロは移動のあるチョーキングの連続であったり、ビブラートをしっかり効かせる部分があるので、意識して演奏しましょう。
Michael Schenker Groupの1980年に発売されたアルバム「The Michael Schenker Group」に収録されています。
Lipstick Traces
名曲度 | 92 |
ビブラート | 72 |
チョーキング | 75 |
ピッキングの強弱 | 77 |
曲全体の難易度 | 77 |
哀愁あふれる泣きのギター
哀愁あふれる大人な雰囲気が漂うインストナンバーです。アコギのコードとエレキのブルースフレーズが絶妙な雰囲気を醸し出しており、どこか懐かしい感じがすることが名曲の理由です。幅広い音楽ジャンルに精通していることが感じられる楽曲です。
この曲は難しいフレーズはないのですが、ピッキングの強弱やチョーキング、ビブラートなどの表現力を求められるフレーズが多いです。ブルースギターを身に着けるきっかけになる楽曲ですよ。空間系エフェクターを深めにかけて、歪みを抑え気味に音作りをすれば雰囲気が出るサウンドになると思います。
UFO時代の楽曲で、1974年のアルバム「Phenomenon」に収録されています。
We Believe In Love
名曲度 | 92 |
チョーキング | 74 |
ビブラート | 73 |
曲全体の難易度 | 77 |
美しいバラードロック
ボーカルとギターの掛け合いが素晴らしく、楽曲の壮大な雰囲気を作り上げています。メロディーラインがきれいで、すべてのパートに無駄がないことが名曲の理由です。アコースティックバージョンも披露されており、一味違った魅力を感じることができますよ。
空間系エフェクターを深めにかけて、ロングトーンをしっかり出せるセッティングが必要な楽曲です。バッキングパート、リードパートが完全に分かれており、コピーするならギターが二人いたほうがいい楽曲ですよ。ロングトーンを使う機会が多いので、音切れに気を付けましょう。連続チョーキングが多いのでピッチを安定させることも大切です。
MCAULEY SCHENKER GROUP時代の楽曲で、1991年発表のアルバムM.S.G.に収録されています。邦題は「マイケル・シェンカー・グループ」です。
マイケルシェンカーの奏法や名曲まとめ
マイケルシェンカーの奏法とおすすめしたい名曲を紹介しました。ギターを演奏する方にとって教科書的なフレーズが多いので、とても参考になるギタリストです。コピーすればするほどマイケルの表現力の高さを感じることができますよ。是非マイケルシェンカーの楽曲に触れてみてくださいね。
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