アレキシライホの多彩なプレイスタイル
Children Of Bodomのリードボーカルであり、リードギターです。歌いながら複雑なリフやソロを弾きこなす高度なテクニックが魅力なギタリストです。
ダウンチューニングを用いており、ザクザクとした重低音の効いたサウンドが特徴ですよ。ギターにリアピックアップ1発のセッティングであるため、ピックアップの切り替えはおこなわずに演奏をします。片足をモニタースピーカーに乗せて、その上にギターを立てて演奏するスタイルが特徴です。
幼少期からヴァイオリンを演奏しており、楽曲にはクラシックの影響を感じ取れるフレーズが多く存在しています。
この記事はそんなアレキシライホのギター機材を紹介します。セッティングや音作りのコツ、それに加えアレキシライホのテクニックまで紹介します。
アレキシライホが多用するテクニック・奏法
アレキシ・ライホは、攻撃的なリフと滑らかできれいなソロの対比が素晴らしいギタリストです。中でも特徴的な技術があるので、これから説明させていただきます。
ギターソロでのアーミング
ギターソロで披露される技術で、ピッキングハーモニクスと合わせたスクイール音を出すときに使用します。インパクトが強く、ソロの終盤でよく聴くことができますよ。
変化を出すピッキングハーモニクス
激しいリフの中にアクセントとして使用されることが多いです。ハーモニクスと同時に幅の大きいビブラートをかけることで、インパクトが大きいフレーズに変化させることに成功しています。様々な場面で出てくる技術です。
きれいなスウィープ
リアピックアップのみで音の分離がいい音であるにもかかわらず、ノイズや音切れがないきれいなスウィープを披露してくれます。スピード感のあるフレーズが多いので、しっかりとポジションを把握して練習しないと弾けないフレーズです。かなり練習しているのではないでしょうか。
縦横無尽な弦とびピッキング
聴こえ方はスウィープに似ているのですが、1音1音にアクセントをつけるために使い分けていると思われます。こちらもノイズ対策が必須なテクニックなのですが、とてもクリアな音で演奏をしておりテクニックの高さがうかがえますよ。リフでも弦とび系のフレーズが出てきたりと、縦横無尽にフレットを駆け回ります。
アクセント付けのタッピング
複数弦を移動するタッピングが特徴で、ストレッチフレーズや同じようなポジションでも、微妙にポジションチェンジを入れることでアクセントをつけています。ノイズ対策や力加減が肝になるフレーズが多く、コピーする際には気を付けたい点です。
アレキシライホの使用ギター
ESP Alexi Laiho Signature Models
ESP製のアレキシ・ライホのシグネチャーギターです。様々なカラーリングが発売されています。24フレットあり、スペックはほぼ一緒なのですが、20フレットから24フレットまでのスキャロップ加工がないモデルもあります。フロイドローズ搭載のギターです。
ネックスケールはロングスケールで、ピックアップはリア1発という仕様です。以前使用していたJackson製RRVと同じようにスペックにするというコンセプトで製作されました。
スペックは
- (ボディ) アルダー(バランスの良い音の出方が特徴)
- (ネック) ハードメイプル(重量があるが強度や耐久性に優れている)
- (フィンガーボード) エボニー(バランスの取れた音が魅力な高級木材)
- (ピックアップ) EMG HZ-FH-2(高音が強めでパワーは控えめのパッシブピックアップ)
コントロールはボリュームのみで、ボディ下部にブースターMM-04 Preamp Boosterのスイッチがついています。ブースターは音をシャープにするためやピックアップのパワーの増幅に使用しているようです。ブースターの使用には9Vの電池が必要です。
Jackson Randy Rhoads
メインギターとして使用していましたが、盗難被害にあってしまいました。しかし、そのことがきっかけでESPからシグネチャーモデルを発売となりました。このギターを再現するというコンセプトで作られているため、スペックはほぼ同じですが、若干違う点もあります。
違う点
- (ピックアップ)Jackson J-50BC
- (ブースター)Jackson JE-1000
キャラクターはほぼ同じで、制作会社の関係で似ている違うものを使用していると思われます。
アレキシライホの使用アンプ
組み合わせでセットで使うものや、単体で使うものなど使い分けをしています。切れのある歪みが好みのようで、アタック音がシャープになる音作りを目指して様々なアンプを使用しています。
Marshall JCM800 2203KK
スレイヤーのケリー・キングシグネチャーアンプヘッドで、歪み専用で使用しています。サブでもう1台用意して緊急時の対応を考えています。
セッティングは
- PRESENCE 3
- BASE 7
- MIDDLE 7.2
- TREBBLE 6
- MASTER 3.5
- PREAMP 9
- GATE 8
- ASSAULT 8
- THE BEAST ON
このような設定で使用しています。このアンプを使用する時は、Lee Jackson GP-1000、VHT Two/Ninety/Twoは予備に回ります。
Lee Jackson GP-1000 TUBE PREAMP
アレキシといえば、このプリアンプといわれるほどの代表的な機材です。セッティングは
- Volume – MAX
- Distortion – MAX+PULL
- Treble – MAX
- Mid – MAX
- Mid shift – 3
- Bass – 9時近辺
- Output 2を使用しており11時近辺
これらの設定にしており、パワーアンプVHT Two/Ninety/Twoと合わせて使用しています。
パワーアンプ
VHT Two/Ninety/Two
Lee Jackson GP-1000 TUBE PREAMPとのセットで使用することが多く、代表的な機材といわれています。このパワーアンプ以外には
- Peavey Classic 50/50
- Rocktron Velocity 300
- Engl E850/40
- Engl E530 Tube
- Marshall JVM
等を使用したこともあるようです。
その他アンプ
- Engl E670 Special Edition Head
- Krank Krankenstein + KRPBK00 120W
- Peavey 5150
これらのアンプも使用しているようですが、セッティングや詳細はわかりませんでした。レコーディングではBrackstar製のアンプを使用することもあるようで、様々なアンプを試して自分好みの音を見つける傾向があります。
キャビネット
キャビニットは、使い分けずほぼこの1台を使用し続けており、信頼度の高さがうかがえます。
Marshall 1960B
高音域が若干カットされること、低音域が少しだけ強く感じられるサウンドを出力するという特徴があるキャビネットですが、音が素直に出るという評価があります。アンプで作った音をそのまま表現するために使用しているものと思われます。
アレキシライホの使用エフェクター
ほぼラックエフェクターで完結させて、足元にはワウペダルのみということが多いです。しかし、足元にエフェクターを並べている動画も存在しているので、その情報をまとめます。
オーバードライブ
ギターソロ時のブースターとして使用していたと思われます。
Boss Super OverDrive SD-1
ギター本体にブースト機能が搭載されているからか、近年ではエフェクトボードに組み込まれていません。ミドルレンジのブースト効果が特徴的なエフェクターです。
コーラス
音の厚み出すために使用しているようで、ラックエフェクターとの併用はしません。
BOSS SUPER Chorus CH-1
セッティングはすべて11時と12時の間くらいに合わせています。
下記のエフェクターも使用していたことがあるようですが、詳細はわかりませんでした。
- MXR M-134 Stereo Chorus
- Mad Professor Electric Blue Chorus
ディレイ
音に広がりを持たせるために使用しているようです。ラックエフェクターを使用している場合は、使用されません。
BOSS Digital Delay DD-7
セッティングは
- E.LEVEL 12時
- F.BACK 11時
- D.TIME 12時
- MODE 800ms
に設定しています。
ワウペダル
ギターソロ時に使用しており、強いワウ効果が特徴です。メタル系ミュージシャンのシグネチャーペダルを使用しており、歪みにかけることを考えて使用しているようです。
JIM DUNLOP KH-95 Kirk Hammett Signature CRY BABY WAH
メタリカのカークハメットシグネチャーワウペダルです。幅広い音域にかかる滑らかなワウ効果が特徴で、歪みとの相性がいいワウペダルです。2016年の機材紹介の動画で使用されていましたが、メインに昇格したかは不明です。
JIM DUNLOP DB-01 DB-01 Dimebag Signature CRY BABY WAH
パンテラのダイムバッグ・ダレルシグネチャーワウペダルです。ワウのレンジの調整やブーストコントロールができるので、幅広い音作りができるワウペダルです。メインで使用されている期間が長く、おなじみのペダルです。
ラックエフェクター
- KORG DTR-1 (チューナー)
- Rocktron HUSH Super C(ノイズゲート)
- Rocktron Intellifex (空間系エフェクター)
- Tech 21 Sansamp PSA1.1(アンプシミュレーター)
- Samson Power Brite Pro 9(パワーコンディショナー)
- Shure UHF Marcad Diversity MKII Wireless(ワイヤレスシールド)
これらのエフェクターがありますが、セッティングは不明でした。足元よりラックで管理する傾向があるギタリストです。ラックの中に常備されているのですが、すべて使用しているわけではなく、アンプに合わせて使い分けをしたり非常用として置いているものもあるようです。
アレキシライホの使用ピック
Dunlop Jazz III
雑誌で先が尖ったピックじゃないと演奏できないと発言していたので、そのために使用していると思われます。ジャズピックで、弦離れがいいことやコントロールがしやすい特徴があり、使用者がとても多いピックです。
アレキシライホの使用弦
DR製の弦を使用しており、シグネチャー弦も販売されています。チューニングによりゲージを変えているようで、様々なゲージが販売されていますよ。ハンドメイド弦で、幅広いレンジの音をカバーするオールラウンドな弦です。シグネチャー弦はパッケージに、アレキシ・ライホの写真が載っているのですぐにわかりますよ。
アレキシライホの機材まとめ
いかがでしたか、今回は先日惜しくも亡くなってしまったアレキシ・ライホのギター機材とセッティング音作りを紹介しました。Children of Bodom解散後に結成したBodom After Midnightの音源発表の予定もあり、亡くなった後でも影響力のあるアーティストです。ファンの方も初めて知ったという方もこの機会にアレキシ・ライホのテクニックを堪能してはいかがでしょうか。
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