FV-500HとFV-500Lはギタリストに馴染みの深いペダルですが、ベーシスト、キーボーディスト、その他の楽器でも多くのスタジオミュージシャンなどのプロの演奏家に多く使われています。
この記事ではBOSSのFV-500HとFV-500Lの違いを比較。
また、V-500HとFV-500Lそれぞれの特徴をレビュー、紹介していきます。
FV-500HとFV-500Lの違いを比較
HとLの違い
ボリュームペダルとあるように音量をコントロールする機材です。
こちらは機種名からわかる通り末尾のHとLに性質の違いが現れています。
- Hはハイインピーダンス(High impedance)。
- Lはローインピーダンス(Low impedance)
を表しています。
FV-500Hの使い分け
ハイインピーダンス用のFV-500Hはギター、ベースなどの出力のインピーダンスが高い楽器の直後に繋ぎます。
昔はキーボードもハイインピーダンスの物が多かったのですが、最近はそういった機材が少なかったり、ステレオで出力することが多いので入力端子が少ないFV-500Hで使用することは狙いがない限りあまり多くはないでしょう。
FV-500Lの使い分け
ローインピーダンス用のFV-500Lは主にエフェクターの後やステレオ出力の楽器に使用します。
FV-500Lは機材の最後に接続されることが多いのでいわゆるマスターボリューム的に音のレベルを変化させる役割になることが多いです。
FV-500Lは楽器の近くに接続されることが多いので、音量レベルに加えて音質の変化にも大きく影響します。ギターのボリュームポットを操作すると音量レベルと同時に歪み量が減っていく現象をイメージするとわかりやすいと思います。
また両方ともステレオケーブルをEXP端子に差し込めばエクスプレッションペダルとしても使用できます。
ボディの側面には常に信号を送り続けられるチューナー・アウト端子、最小音量を調節するミニマム・ボリュームつまみも搭載されています。
違いの比較表
FV-500H | FV-500L |
ハイインピーダンス用 | ローインピーダンス用 |
入力端子と出力端子が二つずつ搭載(ステレオ) | 入力端子と出力端子が一つずつ搭載(モノラル) |
BOSS/FV-500Hの特徴
特徴1 プロに信頼される堅牢性、操作性
何と言ってもその見た目や質感から分かるように、とても丈夫な堅牢性とズシッとしたボディによる安定性です。
プロの現場のように機材が酷使される現場では、何より丈夫であることが選ばれる理由だったりします。
荒々しくプレイしても全く壊れません。表面は傷んだりしますが…。(笑)
ポピュラーな機材なのですぐに調達できるのも大事なポイントです。
特徴2 足元で音質変化させることが可能
手元でのボリューム操作が難しい場合や弾きながら変化させたい場合など、こちらを使えば足で操作ができるようになります。
これによりさらにプレイにバリエーションを持たせることができます。
特徴3 最小音量を自由に決められる
側面のボリュームつまみを使えば最小音量を自由自在に変化させることが出来るので足元での繊細な操作をしたくない場合など、ペダルを全開に開いていても好きなレベルで音が出るように設定可能です。
BOSS/FV-500Hのデメリット
デメリット1 大きくて重い
それが長所でもあるのですが、足元の機材をコンパクトにまとめるとなるとネックになってしまうのでそこまでボリュームペダルを酷使しない場合や大きくて重い機材を運搬したくなかったり、足元周りをスッキリさせたい方には不向きかもしれません。
デメリット2 音痩せが気になる
他のボリュームペダルは音痩せしにくいことを謳い文句にしているように、そちらの新しい機種に比べるとどうしても音痩せが気になってしまいます。
そもそも機材を増やしてしまえば音質変化は発生してしまうものですし、そこも計算しての音作りが醍醐味かとは思いますが、好みではなかったりこちらの機材の音質変化が思わしくない場合は、他の機材を検討してもいいかもしれません。
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BOSS/FV-500Lの特徴
基本的にFV-500Hと大きい違いは無いのですが、FV-500Lならではのメリットもご紹介します。
特徴1 基本であり王道な機能を搭載
ボリュームペダルもサイズが小さいものや軽いもの、音痩せの影響が少ないものがとても多くなっていますが入出力が二つずつ搭載されていてエクスプレッションペダルとしても使用可能です。
そして最小音量の調整やチューナーアウトの搭載など基本的な機能が全て搭載されているのが魅力です。
意外と他のボリュームペダルだと何かの機能が欠けていたりします。
ギターやベースなどで使用するために使用していて他の楽器でも使おうとすると欲しかった機能が搭載されておらず、また新たに別の機材を買い足さなければいけなくなったりと二度手間が起きる可能性があります。
基本的な機能を搭載していて様々な種類の楽器にも使える汎用性、入手のしやすさと手頃な値段設定は何よりの長所と言っていいでしょう。
特徴2 足元で音量変化させることが可能
FV-500Hと違うのは音質変化を少なく音量レベルを変化させることが出来ることです。
こちらを使えばレベルの調整を滑らかに行うことが出来るので、非常に役立ちます。
BOSS/FV-500Lのデメリット
FV-500Hと同じで大きくて重い事と、音痩せが気になることです。
繰り返しになるので省略しますが詳しくは上部を参考にしてみてください。
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BOSS/FV-500の使い方やセッティング
使い方1 側面のボリュームつまみを使って擬似チャンネルを作る
側面のボリュームつまみを任意の位置に設定してペダルを全開に開きます。
そうすると、アンプのチャンネルスイッチやエフェクターを操作する要領で、サウンドにバリエーションを持たせることができます。
FV-500Hで設定すればクランチ〜クリーンのように歪み量がコントロールできます。
FV-500Lで設定すれば音質変化を少なく音量レベルにフォーカスを当ててコントロールすることができます。
使い方2 ディレイの前後どちらかに置くか、場所を工夫してみる
こちらのボリュームペダルをシステムの最後にセッティングすることが一般的な使い方になると思われます。
エフェクターをつなぐ順番をひと工夫してディレイ、リバーブ、ルーパーなどの空間系(残響系)よりも前段にセッティングすれば、元音のレベルを0にした後でも空間系エフェクトの音(残響音)が残せるように出来ます。
こちらを使えば様々な演出が出来る様になると思うので、色々と試行錯誤して残響音を活用した演奏方法を試してみると新たな発見があると思います。
使い方3 チューナーアウトの出力先を工夫してみる
いわゆるA/Bボックス的に使ったりなど、ボリュームペダルの操作やボリュームつまみの設定に関係なく一定で出力されるのでチューナーアウトから別のルートの機材システムを構築したりするのも様でしょう。
また、チューナーアウトから別の出力先に繋いで出力先を2つ以上にしてみるのも良いかもしれません。
アンプを2台使いしたり、シチュエーションによっては片方のアンプのレベルを下げたり、ミュートして使うことも出来るので音色に多彩な変化や効果を生み出すことも可能です。
FV-500と似ている同価格帯の機材と比較
アーニーボールと比較
FV500HとFV500Lと近い価格帯ですと、やはりアーニーボールのボリュームペダルを対抗馬として思い浮かべる方が多いでしょう。
アーニーボールのボリュームペダルは音痩せの影響が少ないことが評判になり、FV-500から乗り換えた方が多いと思います。
また、音質変化やコストカットに配慮したせいか、ボリュームつまみなどの機能が搭載されていないモデルも存在します。
アーニーボールの音質変化が少ないことはとても魅力的なのですが、頻繁に操作、微調整を行う機材なのでそう言ったことを踏まえると、基本に立ち返って丈夫であり、ベーシックな機能を備えているFV500LとFV500Hの利便性が際立って感じます。
また、少し安価なものだと材質がチープであったりコンパクトなものも便利ではありますが、やはり小さいと微調整などの細かい操作がしにくい事がネックです。
BOSS/FV-500を実際に使った感想
筆者はギタリストとしてロックバンドのライブで主にボリュームペダルを使用していました。
丈夫なので少々荒く踏んでも問題ないですし、チューナーアウトにチューナーを繋いで常にチューニングをチェックできるのはかなりありがたいです。
カポタストを多用する楽曲が多かったので、少しの変化を常に目視で確認できるのは心強かったです。
そもそもレコーディングだとライブなどの会場で演奏する時と音作りが違いますし、特殊な奏法以外でボリュームペダルを操作することがあまりないのでケースバイケースかと思われます。
またセッションなど様々な曲調やダイナミクス、バッキングやリードの差を付けて演奏しなければならない場合は必須だと思います。
BOSS/FV-500はこんな人におすすめ
とりあえず長く使えるボリュームペダルが欲しい方や、現場仕事が多いプロの方などたくさんの方におすすめできる機材だと言えるでしょう。またセッションする機会がある方は必須かと思われます。
ロックバンドなどで使用する方やアコースティック楽器などの繊細な演奏や出音を求められる方は他の機材を検討していくのも良いかと思われますが、やはりベーシックな機材としてFV500HとFV500Lは持っておくべき機材だと言えます。
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