Metal Muff(メタルマフ)とは?
黒い重厚なルックスに「METAL MUFF」の文字。
ELECTRO-HARMONIX社のMetal Muffは、エレハモの看板機種「BIG MUFF」の血を引き継ぐハイ・ゲイン・ディストーションです。
つないでツマミ全てセンターでも、それなりのドンシャリへヴィサウンドになってしまいますので、使われるジャンルも名前の通り「メタル」に向いています。
他社からもメタルの名の付くヘヴィディストーションが数種類発売されていますが、Metal MuffはBig Muffからの派生ですのでファズのエッジに似た鋭さを持っています。
この辺りがエレハモならではの最大の個性でしょうか。
他の特筆する機能といたしましては、高音域をブーストする「TOP BOOST」なるスイッチがついており一台で二つの機能を兼ね備えています。
この記事ではエレハモのメタルマフをレビューしています。
まずは間違えやすいメタルマフの種類と違いを見ていきましょう!
メタルマフの基幹エフェクター「ビッグマフ」のレビュー
メタルマフの種類
Pocket Metal Muff
Metal Muffを半分のサイズにして、ツマミも2つにピンスイッチだけとシンプルで持ち運びやすく扱いやすくしたのがPocket Metal Muff」です。
小さくはなっていますが凶暴メタルサウンドは引き継がれていますのでご安心を。
一番の違いはセンターに設けられた「Scoop」スイッチです。OFF、LOW、HIと三段階に切り替えられます。
中音域を調整できるスイッチですが、OFFにすれば普通のディストーションとしても使えそうですがOFFでもかなり歪みます。LOWにすればミドルが削られてドンシャリメタルサウンドに近づき、HIにすればさらに削られて「ドロップD」などのダウンチューニングで弾けば完成です。
Micro Metal Muff
こちらはMetal Muffの半分より少し大きめですがコンパクトにはなって、Pocket Metal Muffになかったトーンが追加されています。
それにより細かな音作りが出来る使いやすい仕様となっています。
メタルマフのスペック
商品名 | Metal Muff |
メーカー | ELECTRO-HARMONIX |
概要 | ディストーション |
特徴 | 極端な歪み |
メタルマフ | メタルマフ総合 |
ポケットメタルマフ | メタルマフをシンプル化 |
マイクロメタルマフ | メタルマフをシンプル化 ポケットより細かな操作 |
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Metal Muffの音質や特徴
特徴1 コントロール部
- ■ VOL
-
出力の音量を調整できます。
- ■ TOP BOOST
-
3.5kHz~4.3kHzの高音域をブーストする量を調整できます。
オン/オフは下に別のフットスイッチが設けられています。 - ■ TREBLE
-
高音域の調整ができます
- ■ MID
-
中音域の調整ができます。
- ■ BASS
-
低音域の調整ができます。
- ■ DIS
-
歪みの量が調整できます。
特徴2 使いやすい3バンドEQ
Metal MuffのEQは非常によく効きます。個人所有のものの中でも最高峰の効きだと感じています。
ドンシャリサウンドを作る肝となるMIDの調整が幅広く出来ますので、ギターやアンプの違いに対しての音作りも楽に出来るかと思います。
ギターに対しての対応力はありますが、ハムバッキング搭載のギターの方が相性が良いです。
特徴3 TOP BOOST
BOOSTが別に設けられていると聞きますと、音量や歪み量を上げる機能が付いているかと思います。
しかし、Metal MuffのTOP BOOSTは音域を変化させキャラクターを変えるものです。
よくアンプのトーンノブについているツマミを引っ張ると、その音域がクッキリするような機能だと思ってもらえばよいです。
特徴4 ファズの様な音も
Big Muffの血を継ぐMetal Muffですので、もちろんファズのような音も出ます。
DISとMIDを上げすぎないようにすれば近い音になります。
ですが、Metal Muffを買う方はひたすら「ドンシャリメタルサウンド」が欲しくて買うのでしょうからファズっぽくなるのは必要ないかもしれませんね。
個人的にもメタルマフを購入したきっかけはドンシャリサウンド目的でした。
それくらい強烈なサウンドキャラクターです。
エレハモ/Metal Muffのデメリット
デメリット1 汎用性が低い
メタルの名の付くディストーションには全てに当てはまると思いますが、メタル以外の音楽ジャンルには対応が難しいです。
Metal Muffを購入される方はメタルサウンドが欲しくて買うのでしょうし、Metal Muffはヘヴィメタルのギターの音を出すために作られたエフェクターだという認識があればデメリットにはならないかと思います。
デメリット2 TOP BOOSTの使い道
スイッチが別に設けられていますので、ここぞというときに踏む仕様で使いたい「TOP BOOST」。
ですが、オンにすると高音域がブーストされブライトになり、通常のブーストから連想する効果の音量や歪みがアップするというわけではないので、使いどころに困る感じはあります。
個人的にはもう一つのEQだと思い、常にオンで使うなどすれば音作りがしやすいです。
この時、ツマミは浅めの方が馴染みやすいですね。
エレハモ/Metal Muffの使い方や音作りのコツ
使い方1 出力の弱いピックアップの方が相性が良い
Metal Muffは基本ハムバッキング搭載のギターの方が相性が良いです。
ハイパワーのハムバッキングのピックアップが各社から発売されていますが、Metal Muffを使用する場合は、あまり出力の強いピックアップではない方が音作りがしやすいと思います。
エフェクターだけでも十分すぎる程のハイゲインですので、力と力にぶつかり合いみたいになってしまい、まとまりが悪くなってしまうからです。
使い方2 Metal Muff側で歪みを作る
どんなアンプでも「Metal Muff色」に染めてしまうといいますか、エフェクターの我が強いです。
ですから「ROLANDのJC-120」でもメタルの音が出ます。真空管のマーシャルなどもアンプ側はクリーンにしておいて、Metal Muffで歪みを作るつもりの音作りの方が上手くいきます。
使い方3 鈴なりサウンド的な効果
Big Muffの血を受け継ぐMetal Muffですので、ギター側のボリュームの追従もよいです。
絞ってやると綺麗なクリーンとまではいきませんが、ファズをかけている状態でボリュームを絞った時のような、独特なクリーンクランチ音がします。
俗にいう「鈴なりサウンド」に近いニュアンスです。
メタルマフを使う時は歪み一辺倒ではなく、この効果を上手に使いライブでの音のバリエーションに盛り込みましょう。
使い方4 TOP BOOST活用法
デメリットの項目にTOP BOOSTは使いにくいと書きましたが、高域がブーストされてブライトになり音が細くなってしまう様になることを利点に変えてしまいましょう。
ロックギターのソロやリフでよく使われる「半止めワウ」の音をTOP BOOSTで作り、ソロの時に踏んでいきなり音のキャラクターを変えるという訳です。
この時はインパクトを与えるためにも大げさなセッティングがよいですので、ツマミは上げ気味がよいです。
Metal Muffと似ている同価格帯の機材と比較
ARION METAL MASTERと比較
ARIONは日本のメーカーですが、中華や韓国の製品のような値段の格安ペダルを販売しています。
新品でも3000円程度のお値段の「METAL MASTER」はARIONが誇るメタル・ディストーションです。
肝心のサウンドは歪む方ですが、メタル系のエフェクターとしてはゲイン不足のような気がいたします。
歪みは確実メタルマフに軍配が上がります。
ARION METAL MASTERの場合は、歪みのツマミ「DIST」はフルテンにしておいて「FREQ」のLOWとHIGHでドンシャリメタルサウンドを作っていく感じです。
HIGHのツマミはよく効いてギラギラしてくるのですが、LOWがズンズンいってくれないので、歪み具合は80年代初頭辺りのメタル止まりの感じがいたします。
個人的にはメタルマフの方が断然おすすめ。
BOSS METAL COREと比較
BOSSの「METAL CORE」は、優秀で人気のある「METAL ZONE」の陰に隠れた名機なんて言われています。
METAL COREは最近のBOSSのデジタル・エフェクターに搭載されています「COSM」を使ったデジタル・ディストーションです。
ノイズの軽減もデジタル回路ですので解消されていますし、EQの効きもとても良いです。
最近のダウンチューニングや7弦ギターへの対応力も優れています。
メタルマフは究極のドンシャリサウンドに対してBOSSのMETAL COREは良い意味で綺麗に凄く歪みます。
ですので、METAL COREは荒々しいラウドなメタルより、「モダンなんだけどハイゲイン」みたいなジャンルに向いています。
メタルマフを実際に使った感想
私はビッグマフのファンでしたので、すんなりとセッティングは出来ました。メタルマフは本当によく歪みます。
「メタリカ」ぐらいの歪みでしか使いませんでしたが、まだまだ歪みの余裕はありました。
小さなトランジスターアンプでも凶悪メタルサウンドにしてくれますので、小さな音で激しく歪んで欲しい自宅での練習でも活躍してくれます。
ライブでの使用はかけっぱなしで音量上げ用のブースターを後につなげば使いやすいですね。
メタルマフはこんな人におすすめ
世界で、歪ませたいならMetal Muffみたいな定説が生まれ始めています。
極端な歪みで、一見不器用なエフェクターではありますが、メタルというジャンルの中でしたら器用にこちらの要望に応えてくれるエフェクターです。
ハイゲインのアンプがなくてもスタジオにこれ一台持っていけば、いきなりどんなアンプからも「ドンシャリメタルサウンド」が飛びだして来るのですから、メタルマフはメタル・ギタリストの皆様にとっては夢の小箱となりますよね。
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