この記事ではラウドネスのギタリスト高崎晃のテクニックや奏法について解説しています。そのテクニックは国内海外からはどのような評価を受けているのでしょうか。
その他、ラウドネスで高崎晃氏の技術が光る名曲などをまとめています。
高崎晃のテクニックがすごいと言われる理由
高崎晃の国内の評価
ハードロックといえば高崎晃という認識があり、ファンからは神と呼ばれることもあるほどのカリスマギタリストです。現在トップで活躍しているミュージシャンで、LOUDNESSの高崎晃にあこがれて音楽を始めたという方がたくさんいます。ハードロック黄金時代であった80年代に飛びぬけた人気と技術を誇っていたことから、いかに評価が高かったかがわかります。
海外の音楽のコピーではなく、聴いたら一発で高崎晃のギターとわかるほどのオリジナリティーがあるといわれています。具体的に言うと、ギターのトーンやギターソロのフレーズ、適材適所な曲の構成が高い評価を得ています。ただ速弾きやタッピングの技術を詰め込むのではなく、曲全体のバランスが考えられていると評価されています。
ファンからはタッカンと呼ばれ親しまれています。ベースの技術もかなりのもので、LOUDNESSの過去のベーシストからは自分よりうまいといわれるほどです。LOUDNESSはテクニカル集団なので、そのメンバーに自分よりうまいといわれるのがどれほどすごいことかは音源を聴けばわかると思います。
高崎晃の海外の評価
高崎晃のファンを公言しているギタリストはたくさんいます。
- Yngwie Malmsteen
- George Lynch
- Steve Lukather
- Paul Gilbert
- Dave Mustaine
上記のそうそうたるギタリストたちが名を連ねています。
この高い海外人気を得たきっかけは、ビルボードチャートロック部門に日本人初のランクインを果たしたことです。この快挙を成し遂げたことで、LOUDNESS?高崎晃って何者?と名前が海外にとどろきました。
LOUDNESSはアルバムTHUNDER IN THE EASTで世界デビューを果たし
日本国内チャート4位
ビルボード74位
という結果を残し、19週にわたってチャートインを続け、ロングヒットとなりました。
現在でも海外ミュージシャンと共演した時にはピック交換や写真撮影を求められ、高崎氏自身もとても驚いています。それだけ影響を与えているミュージシャンということができます。
あの超有名スラッシュメタルバンドMetallicaから、解雇されたDave Mustaineの後継者として勧誘が来たことがあります。このことから、高崎氏の技術は海外でも通用すると認められているといえます。
ちなみに、高崎晃氏が勧誘されるきっかけとなったMegadethのDave Mustaineからもピックの交換を求められています。お返しに大量のピックを渡されたようです。そして同じフェスに出演した際にはゲストとして共演を果たしています。
Paul Gilbertも来日公演の際にLOUDNESSの楽曲のフレーズを演奏し、観客を沸かせました。
youtubeなどにも動画があげられていますが、LOUDNESSは現在も積極的に海外公演をおこなっています。
高崎晃 テクニックや奏法の特徴
高速タッピング
Eddie Van Halenのタッピングを倍速で演奏しているようだと評価されるほどの高速タッピングを演奏します。音がクリアでミスタッチが目立つ音でも、難なく演奏してしまう正確性を持ち合わせています。
ボスハンドタッピングという左腕をネックの上から出して、両手でタッピングをするという技術も披露します。同じポジションでタッピングを続けるのではなく、ポジション移動が多いのでコピーすることは非常に困難です。まるでピアノを弾いているかのように弦をたたいています。
可動域の広いアーミング
激しいアーミング奏法も特徴の一つで、ギターソロで頻繁に使用される技術です。ダウンアップどちらにも激しいアーミングをおこなうので、音をずらしすぎないように気を付ける必要があります。しかし、高崎氏は問題なくこなしてしまいます。
アーミング時に音の幅を広げるために、ギター本体のブリッジ部分を深く削りアーミングの可動域を広げています。
ただアーミングでごまかしているのではなく、音楽的に成立させて楽曲の一部として機能させていることが高崎氏の一味違った個性といえます。
速弾きフレーズ
力強い高速ピッキングが特徴です。1音1音しっかりとピッキングをしており、パワフルなアタック音とともに華麗なフレーズを聴かせてくれます。
近年では速弾きフレーズを多用することが減ってきましたが、過去楽曲の演奏時には速弾きをします。しかし、アレンジでアーミングやチョーキングを用いた聴かせるフレーズに変更することもあるので、速弾きへの意識は薄れてきているのかもしれません。
ギターソロが原型から離れてしまわない様に、定期的に過去ライブを見てアレンジをおさえているという情報があります。ですので、ファンが聴きたいフレーズを聴くことができないということは少ないと思います。
耳に残るバッキングフレーズ
1音目で引き込まれるような、ガッツあふれるバッキングが特徴です。若干ハーモニクスがかかったような個性的なサウンドと、これぞハードロックといえる王道的な曲構成が特徴です。
王道的な構成の中にも個性があり、高崎晃サウンドとわかるとても耳に残るフレーズが多いです。ギタリストが試奏で弾きたくなるバッキングが満載です。近年では、リフがメインの楽曲が多いので新たなスタンダードナンバーを生み出してくれることに期待です。
高崎晃のギターテクニックが光る曲5選
CRAZY DOCTOR
難易度 | 4.0 |
速さ | 3.7 |
特殊技 | 2.5 |
キャッチー | 5.0 |
例 4.6
一発で引き込まれる強烈なギターリフ
出だしからこの曲良いと思わせてくれる素晴らしいリフが特徴です。若干ハーモニクスをかけながら演奏すると雰囲気が出ますよ。演奏していてとても気持ちの良い楽曲です。
個人的にはソロへの入り方がとても好きで、緩急のつけ方が素晴らしいと感じます。その後のスピードフレーズも耳に残りやすく、ギター練習にもってこいな楽曲です。練習というより演奏したくなるので、弾いてしまうと思います。
LOUDNESSの代表曲ともいえる楽曲なので、ハードロック好きに聴かせたら喜んでもらえること間違いなしです。
ギターソロを演奏するときには、若干慣れない運指があるので反復練習が必要になります。いろいろなパターンが含まれた構成なので、ギターレベルアップにつながりますよ。
IN THE MIRROR
難易度 | 4.7 |
速さ | 4.7 |
特殊技 | 3.8 |
キャッチー | 4.0 |
例 4.6
高速ギターフレーズがたたみかける曲
この曲も大人気楽曲の1つです。スピーディーなリフなのにポジション移動が多く、ギターを始めて日が浅い方はこんな曲弾けるかと少し感情的になる可能性があります。しかし、ゆっくりパターンを覚えれば必ず弾けるようになりますので挑戦することをおすすめします。
リフの中に速弾きフレーズを混ぜてくるので、一筋縄ではいきません。余裕をもって次の展開に対応できるように準備しておいた方が良いですよ。ギターソロは、アーミングや高速タッピングが含まれています。タッピングは右手だけでなく左手のポジションチェンジが多いので、しっかり指に覚えさせることが重要になりますよ。
バッキング中に速弾きフレーズが頻繁に入ってくる楽曲なので、切り替えが苦手な方こそ練習して技術を身に着けてほしい楽曲です。アーミングフレーズを演奏するために、フロイドローズ搭載ギターを用意することをおすすめします。
CRAZY NIGHTS
難易度 | 3.5 |
速さ | 3.5 |
特殊技 | 3.9 |
キャッチー | 4.8 |
例 4.6
重厚なギターフレーズが気持ち良い曲
世界デビューアルバムTHUNDER IN THE EASTのオープニングを飾る楽曲です。重厚なギターリフが気持ちの良いミドルテンポのハードロックソングです。現在のライブでも頻繁に演奏される楽曲で、とても人気がある1曲です。
高崎氏がギターソロだけでなくバッキングフレーズを作る才能も飛びぬけていることがわかる楽曲です。ライブではM.Z.Aコールで観客と一体感が生まれる曲ですよ。ここでも、イントロから続くリフが入ります。このリフ曲の土台となっていることがわかります。ギターのサウンドチェックでも弾きやすいリフですよ。
ギターソロは速弾き、激しいアーミング、高速なタッピングフレーズなど技術が満載です。ミドルテンポな楽曲ですが、ソロは音数が多く忙しい印象です。また曲の終盤にもソロパートがありそちらではアグレッシブなカッティングを披露しています。CDではフェードアウトで終わるので、アドリブやライブ映像をまねてコピーするといいですよ。
S.D.I
難易度 | 4.8 |
速さ | 5.0 |
特殊技 | 4.8 |
キャッチー | 4.5 |
例 4.6
高速タッピングが光るキラーチューン
ハイスピードでアグレッシブな楽曲です。休符がほぼなく、常にギターが鳴り続けている印象です。高速ブリッジミュートのフレーズを軸に次々と技術が詰め込まれた難易度の高い楽曲です。
ギターソロでは高速ボスハンドタッピングが大半を占めています。ポジションチェンジが多く、しっかり覚える必要があります。通常のタッピングも曲中で何度も登場するので、タッピング練習に持って来いな楽曲ですよ。
私的には、バッキングフレーズとタッピングの切り替えが最難関だと思います。アドリブでごまかして余裕を持たせることも可能ではありますが、せっかくなら完コピしたいところです。1つ1つのフレーズの精度を上げることで余裕が生まれますよ。
SOLDIER OF FORTUNE
難易度 | 4.8 |
速さ | 4.6 |
特殊技 | 4.9 |
キャッチー | 4.7 |
例 4.6
ボスハンドタッピングを知らしめた楽曲
ギターではないのですがこのアルバムではボーカルがに二井原実氏からMike Vesceraに変更されています。どちらのボーカルのバージョンも存在するので、聴き分けて楽しむことができますよ。
何といってもボスハンドタッピングが難しいです。ほかにもかっこいいフレーズや、速弾きフレーズが存在するのですが、この楽曲はボスハンドタッピングがクリアできないと弾けていないことと同じですよ。
原曲バージョンは歪みが少ない音でタッピングをしているのか不思議な音で演奏しているように聴こえます。歪みが少ない分しっかりとタッピングをしないと音が出ないので、反復練習でタッピングの力加減を覚える必要があります。
高崎晃のテクニックまとめ
いかがでしたか?今回は高崎晃氏のテクニック、奏法を代表曲を交えて紹介しました。
高崎氏は個性が強く、ほかのアーティストとは一味違った演奏が持ち味です。もちろんテクニックも超一流で、海外アーティストからも認められたという実績があります。高崎サウンドを体験して、あなたのギターテクニックやアイディア向上の参考にしてみてはいかがでしょうか?
高崎氏は、デジマートをよく利用してさらなる良い音を目指して日々研究を続けています。時期によってサウンドが変わっているので、聴き比べてみるとさらに高崎サウンドを楽しむことができますよ。
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